ワイズパーソナルジム代表の義田です。
私ごとですが6月9月に向けてパワーリフティングの練習をしています。
キックボクシングの為のスタミナトレーニングも実施しているので、週5日と高頻度なトレーニングメニューとなります。
私の中で、試合や大会の追い込み期間中で一番気を付けていることは怪我と風邪です。
効率の良いトレーニングを実施していれば着実に競技力は向上していきます。
しかし、怪我や風邪などで体調を崩すとトレーニングが実施出来ずに逆に弱くなってしまいます。
強くなるためには、トレーニングという攻めの要素と弱くならない守りの両方を備えておく必要があります。
今回は、免疫力を高める習慣について「栄養」「休養」の観点から説明していきます。
是非この記事を参考にして頂き、万全な状態でトレーニングを実施して効率良くボディメイクや競技力向上をしていきましょう!
目次
免疫力を高める習慣について
これを読まれている方の中にも、日々ボディメイクや競技力を高めるために激しい運動をしていると思います。
適度な運動は免疫力を高めますが、追い込む練習など激しい運動は免疫力を低下させるという研究結果が出ています※1。
意外ですが、アスリートは一般人よりも風邪を引きやすく体調を崩しやすいということです。
風邪を引かずに、万全な状態でトレーニング出来る人の方が強くなる(もしくはボディメイクの)スピードは圧倒的に早いです!
論文から見た免疫力について
免疫力の論文を見てみると、結論として「激しい運動やトレーニングは免疫機能を弱め、炎症やアレルギー反応を助長する。」とされています。
メカニズムとしては、激しい運動によって免疫機能のある体内物質(血中NK、T細胞、分泌型IgA)の量が一時的に低下して、免疫力を抑制するストレスホルモンやサイトカイン(抗炎症)などの分泌によって感染症を起こしやすい状態になります。
また、激しい運動によって活性酸素が多く生成されて、炎症反応や細胞に酸化ストレスというダメージを与えてしまいます。
これらは、適切な栄養、休養と抗酸化物質を含むサプリメントの摂取によって免疫力低下を抑制できるとされています。
免疫力向上には適度な睡眠と食事管理、サプリメントの摂取がおススメ!
睡眠と免疫力について
睡眠の乱れによって、免疫機能は低下することが分かっています※2。
それは、免疫細胞(B細胞など)の活動が睡眠時に促進されるので睡眠が大切になります。
・睡眠時間と競技パフォーマンスについて
睡眠は免疫力だけでなく競技パフォーマンスにまで影響を与えます。
睡眠時間と競技パフォーマンスについての論文の内容の一例を紹介します。
スタンフォード大学のバスケットボール選手(男子)11名を介入群とし、毎日睡眠時間を平均110.9±79.7分延長させて、5〜7週間、対照群15名と比較して行われています。
この研究における、選手達の最もパフォーマンスが高いときの平均睡眠時間は8時間20分でした。
・約282フィートダッシュにおいて16.2→15.5秒と0.7秒短縮した。
・フリーシュート成功率は79%→88%と9%上昇した。
・3ポイントシュートの成功率は66.7→77.3%と10.6%と上昇した。
・動作時間が短縮し、やる気・精神運動覚醒レベルが向上した。
・倦怠感、緊張、混乱、感情の傷害を有意に低下させた。
( Mah CD, et al. Sleep. 2011 )
このように、睡眠は競技パフォーマンスにまで影響していきます。
免疫力と競技力をベストな状態にするために、8時間程度の睡眠や昼寝などを取り入れて睡眠時間を確保していきましょう。
夜の睡眠だけで難しい場合は昼寝(13:00~16:00の間で1時間以内が望ましい)を取り入れるのもおススメです。
免疫力を高める食事について
ボディメイクに打ち込んでいる方や競技力向上の為に激しいトレーニングを実施されている方は、
糖質、タンパク質、必須脂肪酸だけでなくビタミンやミネラルなどの微量栄養素の摂取が過不足なく行われることが大切です。
また、十分な量の水分摂取は脱水症状を回避するだけでなく、唾液分泌量を適正に保ち感染症を防ぐとされています。
・糖質の働き
糖質に関しては運動前、中、後に摂取することでパフォーマンス低下や筋分解を防ぐだけではなく、
筋グリコーゲンの補填や血糖値を一定に保つことにより疲労回復効果を期待できます。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールレベルも低下させて、免疫に関わる血中リンパ球数やグルタミン濃度の低下を防ぎ免疫力低下を防ぐとされています。
糖質には吸収スピードがあり、これを数値化したものをGI値と呼んでいます。
砂糖などの単糖類や小麦粉(うどんやパン、パスタなど)、白米などの食物繊維を多く含まないデンプンは吸収が早く高GI食となります。
食物繊維を多く含むデンプンは吸収が遅く低GI食と呼ばれ、玄米、雑穀米、冷やし白米、オートミール、サツマイモ(蒸しイモ、干し芋)などになります。
トレーニング後は筋グリコーゲンや低血糖からの回復と言った、いち早く糖質を取り入れたい状態なので高GI食でも構いません。
それ以外のタイミングでは、血糖値を一定に保つ方がコンディション※が良くなるので低GI食を摂取すると理想的です。
※高GI食を摂取すると高血糖→低血糖というプロセスを踏むことになり、高血糖時はインスリン追加分泌により肥満のリスク。
低血糖時は眠気などのパフォーマンス低下に繋がります。
・タンパク質とビタミン、ミネラルの働き
体内には、酵素と呼ばれる生体反応に必要な触媒としての働きがある物質があります。
身体の呼吸、消化吸収、運動などのあらゆる活動に関わってくる物質で、勿論免疫力にも関わってきます。
酵素は主にタンパク質、ビタミン、ミネラルの3つの栄養素で構成されます。
これらの栄養素が過不足の内容に摂取する必要があります。
・必須脂肪酸の働き
脂質と言えば肉の脂身、調理油を連想しますが、脂質には様々な種類があります。
肉やバターなど常温で固体になる脂質は飽和脂肪酸と呼ばれます。
サラダ油やオリーブオイル、魚の油の様に常温で液体の脂質は不飽和脂肪酸と呼ばれます。
不飽和脂肪酸の中でも、オメガ9、6、3と分類されます。
オメガ9:オリーブオイル、ナッツ類(アーモンドなど)、アボカドなど
オメガ6:サラダ油、キャノーラ油、加工食品の油など
オメガ3:魚、亜麻仁油、シソ油など
に多く含まれます。
パルミチン酸を始めとする飽和脂肪酸と、オメガ6に分類されるアラキドン酸と言った脂肪酸は、
炎症反応を促進するプロスタグランジン1型2型の材料となります。
逆に、炎症反応を抑制するプロスタグランジン1型はオメガ3を材料とします。
要は、飽和脂肪酸(パルミチン酸)オメガ6(アラキドン酸)の摂取量に対してオメガ3の摂取量とのバランスを取る必要があります。
肉や調理油(炒め物や揚げ物は一般的にはサラダ油やキャノーラ油を使用する)による摂取量には気を付けて。
魚や亜麻仁油などの脂質は積極的に摂取していきましょう。
・食事で意識すること
食事においては、お菓子やジュースなどカロリーはあるが微量栄養素の少ない嗜好品はなるべく避けること。
また、お菓子などに含まれるトランス脂肪酸や揚げ物による脂質摂取はなるべく避けること。
アルコールの分解も身体の負担になるので、飲み会や会食以外の必要とすること以外の飲酒をする機会を減らすこと。
代わりにカロリー当たりの微量栄養素の多い(=N/Cレートの高い)食材をチョイスしていきましょう!
主食であれば、玄米、雑穀米、オートミール、サツマイモ(干し芋や蒸しイモ)、バナナなどがあたります。
また、果物も糖質と同時にビタミンを摂取できますのでキウイフルーツは低GI食で微量栄養素も多く、タンパク質分解酵素も多く含むためおススメの果物です。
タンパク質は、余分な脂質が少ない赤身の肉、鶏むね肉、ささみなどを中心に。
オメガ3脂肪酸のDHA/EPAを多く含む魚(特にサバがおススメ)、大豆は発酵食品である納豆から摂取することがおススメです。
不足する場合は純粋なタンパク質であるプロテインも摂取していきましょう。
水の最低摂取量は女性1.5L、男性2.0L以上は摂取しましょう。
運動される場合は更に多くの水を摂取(プレワークアウトドリンク、ワークアウトドリンク、トレーニング後のドリンクがおススメ)しましょう。
風邪防止におススメなサプリメントについて
食材から摂取できる抗酸化物質はフィトケミカルといいます。
緑茶のカテキン、チョコのカカオに含まれるカカオポリフェノール、ゴマに含まれるセサミンなどあります。
また、ビタミンCにも抗酸化作用があり、果物全般的に多く含まれています。
しかし、食事だけでこれらをバランス良く摂取するのは正直難しいです。
食事に追加してサプリメントを摂取することがおススメです。
サプリメントでは非必須アミノ酸であるグルタミン、マルチビタミンミネラル、低価格なビタミンCのアスコルビン酸がおススメです。
血中グルタミン濃度を高く保つことで、体調不良を防ぐことが期待されます※3.
また、余裕がある場合は抗炎症作用を期待できる魚油、抗酸化作用のあるRリポ酸(もしくはαリポ酸)、コエンザイムQ10を追加摂取するとよいでしょう。
筆者がおススメするサプリメントの紹介
・マルチビタミンミネラル
天然の野菜をそのままサプリメントにしており、ビタミン、ミネラルだけでなく本来の野菜に含まれている抗酸化物質であるフィトケミカルも摂取できます。
マルチミネラルビタミン(180カプセル) ニューサイエンス社製
合成の割合が増えますが、上記よりも安く大量のビタミンを摂取するのに向いています。
メガワン・マルチプル 60タブレット (海外直送品Amazon)
・グルタミン
非必須アミノ酸ですが免疫力低下を防ぐために飲んでいます。
バルクスポーツ グルタミン 500g
・アスコルビン酸(ビタミンC)
原紛をそのまま摂取することで、抗酸化物質であるビタミンCを最安値で摂取できます。
ビタミンC(アスコルビン酸)1kg 粉末・100%品 食品添加物規格 1cc計量スプーン付き
・魚油(DHA/EPA)
身体に必要な脂質であり、脂肪を代謝しやすくなります。
青魚には水銀などの産業汚染物が食物連鎖により蓄積しやすいですが、南極で獲れた食物連鎖の底辺であるオキアミを使用しているため汚染物の心配はないです。
さらに、青魚よりも体内の吸収率が高いのが特徴です!
OMEGA3+(オメガ3)クリルオイル
・コエンザイムQ10
コエンザイムQ10は抗酸化作用のあるサプリメントとしてはメジャーなものです。
ナウフーズのメーカーは全般的に低価格、高品質、高容量なのでおススメします。
Now ナウフーズ コエンザイムQ10 600mg 60 ソフトジェル 海外直送品 amazon
・亜麻仁油
低価格でオメガ3系脂質を摂取するのに向いています。
低温圧搾ですので脂質が酸化している心配もありません。
熱、空気、光で酸化しやすい脂質ですので、摂取するときは生で、保管はしっかりとふたを閉めて暗所に保管しましょう!
紅花食品 亜麻仁一番搾り 170g
まとめ
8時間程度の睡眠時間を確保することが大切です。
睡眠時間が不足するときは昼寝(13:00~16:00で1時間以内)を取り入れても効果はあります。
食事は、揚げ物やトランス脂肪酸を含む食材、アルコール摂取は極力控えること。
肉や加工食品からでの過剰摂取は避けて、代わりに魚や亜麻仁油などの脂質は摂取していきましょう。
水の最低摂取量は女性1.5L、男性2.0L以上は摂取しましょう。
運動される場合は、ワークアウトドリンクなどを活用して更に多くの水を摂取しましょう。
サプリメントは抗酸化物質や抗炎症に働きやすい成分を摂取することが大切です。
具体的なサプリメントとしては、
・マルチビタミンミネラル
・ビタミンC(安価なのはアスコルビン酸)
・グルタミン
余裕がある場合は追加して、
・コエンザイムQ10
・魚油
・Rリポ酸(もしくはαリポ酸)
を摂取できるとベストですね!
是非、激しいトレーニングや追い込み練習期間中でも免疫力を低下させない対策を実施して、
試合や夏本番にむけて着実にボディメイクや競技力向上を図っていきましょう!
参考文献:
※1運動と免疫Exercise and Immunity
※2日本睡眠医学協会_睡眠と免疫力
※3順天堂スポーツ健康科学研究 第 3 巻 Supplement (2012)運動とグルタミン
以上になります!
当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!
カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!
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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)
科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。
ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表
日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝
自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。
RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。
【ワイズパーソナルジム】
東京都杉並区大宮2-7-4
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