西永福 浜田山 高井戸でパーソナルトレーニングをしていますワイズパーソナルジム代表/パワーフィットスタジオZEROオーナーの義田です。

小麦粉は身体に悪いのか?を論文ベースで検証する

小麦粉は身体に悪いという意見をよく聞きますが・・・

小麦粉を食べると太る!
グルテンは身体に悪いからグルテンフリーを選んでいる!
と、巷では小麦粉についての悪い意見が多々あり、グルテンフリーが流行しています。
本当のところ小麦粉って身体にとってどうなのでしょうか?

このシリーズでは、都市伝説みたいな食材のうわさ話を深掘りしていくことがテーマとなります。
なるべく論文ベースで書いていきますが、たまに個人的な見解も入る可能性があるためご了承ください。
(個人的見解が入る際は都度明記します)

小麦粉とグルテンフリーの概要

小麦粉にはグルテニンとグリアジンといった2種類のタンパク質が存在し、水を加えてこねることでそれぞれが絡み合って弾力をもった”グルテン”になります。
グルテンはもちもちとした食感があり、パン、麺、お好み焼きなどの粉もの、お菓子といった様々な用途に使用されています。

みんなの大好きな粉ものにも使われています♡

グルテンフリー推進者の意見では、このグルテンが身体に対して様々な悪影響があるとされています
グルテンは人の消化酵素で分解されにくく、消化不良や便秘、下痢、アレルギー反応を引き起こす可能性(=グルテン関連疾患)が示唆されており、中でもセリアック病はグルテンがトリガーとなって免疫系の異常→小腸に異常を来たし、ときには重大な栄養不良を起こす病気です。

同じ腸の不調としてリーキーガット症候群があります。
グルテンが腸を傷つけて腸の細胞結合部に隙間ができ、そこから有害物質が血液中に流れ出して疲労感、下痢、便秘、腹痛などの不調が現れると言われています

他にはグリアジンが食欲を増大させて肥満に繋がる
糖質に含まれているアミロペクチンAが血糖値を急上昇させる。
と様々な悪影響を語られることが多いのですが、果たしてどうなのでしょうか?
これらをデメリットの項目で論文ベースで深掘りしていきます。

小麦粉のメリットとデメリット

結論として、小麦粉を摂取することによるメリット/デメリットの両方が存在します。
小麦粉に限らず、物事にはメリットとデメリットの両方が存在するものです。
そのメリットとデメリットを把握して、それらを天秤にかけて摂取するかしないかを各々検討すると良いでしょう。

小麦粉のメリット

・小麦タンパクに多く含まれるグルタミンには様々なメリットがある

パスタはバルクアップ(筋肥大)に最適な食材です。

→小麦粉には意外とタンパク質が多く含まれます。
例えばパスタにおいては、250g(茹であがり時1人前)あたりタンパク質13g含まれており意外と高タンパク質な食材です。
また、小麦タンパクにはグルタミンが多く含まれており、グルタミンは免疫力向上、消化器官のサポート、筋分解抑制を期待できます。

参考文献:スポーツにおけるアミノ酸の使用法とその効果

・他の食材に比べてカロリー摂取が容易
→パンなど加工された小麦粉食品は、脂質も多く含むため多くのカロリーを摂取することができます
グリアジンが食欲を増大させると言われていますが、それを裏付ける医学論文が発見できなかったです・・・。
唯一、それらしい論文は 「Wheat Belly(著者:William Davis医師)」だけでした。
この論文を要約すると「グリアジンが食欲を増大させ、遺伝子組み換えの小麦においてグリアジンの増加が原因」という流れになっています。

ですので、バルクアップなど身体を大きくするためにオーバーカロリーにしたいときはメリットと言えます。
後述しますが、ダイエットにおいてはこの点はデメリットとなります。

・料理のレパートリーが増える、加工が容易、材料費が安いなど
→これは生産者側の意見ですが、大量生産されている小麦は安く、様々な食品加工物へと利用できる画期的な万能食材になります。
パン、パスタ、うどん、そばのつなぎ、ラーメン、ひやむぎ、ギョーザの皮、ケーキなどのお菓子類、天ぷらなどの揚げ物、お好み焼きなどの粉もの・・・挙げたらキリがないですね。

餃子、美味しいよね~

現代社会において、小麦粉と食品の関係は切っても切れない関係と言えるでしょう。

小麦粉のデメリットと考察

・グリアジンによる食欲増大と脂質によってダイエットにマイナスになる

→先ほど解説した通り、グリアジンが食欲を増大させる可能性が示唆されております。
また、小麦粉を使った料理は脂質が多いこともあり、カロリーオーバーへと繋がる可能性があります。
特にパン類、ケーキ類、パスタ(茹でて炒めなければ脂質は少ない)、ラーメンなどは脂質が多いと言えます。
(米食でも炒めるチャーハン、かつ丼のように具材に脂質が多いと太りやすいのは一緒ですが。)
いずれにしてもダイエットにおいてはデメリットになるでしょう。

・小麦粉に含まれるアミロペクチンAが血糖値を急上昇させて肥満を促進する
という理論は微妙

→小麦粉が太りやすいという根拠として、アミロペクチンAが急激に血糖値を上昇させるために、インシュリンが分泌され血液中の糖を脂肪として貯め込みやすくなるという理論となっていますが・・・。
同カロリーで米とパン食を比較した論文データーがあり、血糖値上昇に有意差はなくむしろ米の方が多少血糖値上昇があるというデーターでした(パンには脂質が含まれること、糖質量の差が影響したとも考えられる)。

この論文の結論として、同じエネルギー量であれば米もパン食も肥満リスクは変わらないということでした。

参考文献:食事が血糖値に及ぼす影響-米飯食とパン食の差-

・グルテン関連疾患のリスクがある
アレルギー体質の人は気を付けるべき 

→食物アレルギーを起こしやすい三大アレルゲンは鶏卵/牛乳/小麦になります。
小麦アレルギーは全体の8.0%を占め、グルテン関連疾患に繋がるとされています。

食物アレルギーのグラフ
※クリックすると厚生労働省ページへジャンプします。

小麦アレルギー体質の方が小麦粉食材を摂取することで、グルテンがトリガーとなっておきる「セリアック病」や「グルテン過敏症」を発症する可能性があります。
これは、腸の免疫システムがグルテンを異物と認識して身体にさまざまな反応を起こします。

これらは自覚症状がないケースもあるため、万が一グルテン過敏症であった場合に、グルテンフリーを実施するとその原因を除去して体調を改善することができます
しかし、小麦アレルギーやグルテン過敏症が疑われる場合は自己判断せず、適切な検査(アレルギー検査など)を受けて適切な診察を受けましょう。

グルテン関連疾患の「リーキーガット症候群」は腸の透過率が上がった状態を指しますが、医学的に疾患と認められていません。
腸の透過性は病気、食物をはじめとするアレルギーの二次的な影響であり、腸の透過性そのものが身体の不調を引き起こすことはないと明言されています。
アレルギー反応が出ない人にとってリーキーガット症候群を心配する必要はなく、またリーキーガット症候群自体が病気の引き金にならないことも理解しておきたいところです。

要は小麦アレルギー体質の方以外は、グルテンフリーの恩恵はあまりないと推測されます。

参考文献:The Leaky Gut: Mechanisms, Measurement and Clinical Implications in Humans

小麦粉の影響:ボディメイクに関して

多くのカロリーを摂取できる、意外にもタンパク質が多くグルタミンも多く含むため、バルクアップ期では小麦粉を使った食材を取り入れるのはメリットがあると思います。
逆にダイエット期においては不向きな食材と言えるでしょう。

筆者おススメのノンオイルツナ缶パスタです。
※クリックするとクックパッドへジャンプします。

小麦粉の影響:健康に関して

小麦アレルギーリスクのある人はグルテンを避けるのが良いでしょう。
また、グルテンフリーを取り入れるのは簡単ですので実際にグルテンフリーを取り入れてみて体調、体組成の結果が良くなるか経過観察してみて、そのままグルテンフリーを継続するかを決めても良いでしょう

周りの体験談では、グルテンフリーを導入してからかなり体調、スタイルが良くなった人もいますし、全く変わらなくて元に戻した人もいます。
トレーニングや食事管理方法と同様にトライ&エラーで実施してみても良いのではなでしょうか?

個人的には元々、小麦粉食材はあまり好きではないので普段はあまり食べずに、トレーニングのご褒美として、人付き合いで食べることがあるくらいです。

まとめ

小麦粉に関して、
・小麦タンパクに含まれるグルタミンは筋肉や免疫力に有用な働きがある
・カロリー摂取が容易でバルクアップ(=増量)したい方はおススメ、ダイエットには不向き
・小麦アレルギー体質の方はグルテンフリーにすることで体調が改善することが期待でき、アレルギー体質でない方はグルテンフリーにしてもそこまで大きな恩恵はないと推測されます

気になる方は試しにグルテンフリーを取り入れてみて経過を見てみると良いでしょう。
主食を米、イモ類にする、加工食品の成分表を確認して小麦粉を含むものを避ける。
など実施はかなり容易になります。

以上になります!

当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!
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カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

杉並区の京王井の頭線西永福、浜田山が活動拠点になります。

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
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