ワイズパーソナルジム代表/パワーフィットスタジオZEROオーナーの義田です。

夏が近づいてきましたね。
夏に向けてそろそろダイエットを開始して、すぐに隠れてしまうシャイな腹筋を浮き上がらせたいですね!笑

筆者のビフォーアフター

ダイエットと言えば主食を控える糖質制限をイメージしますが、どうしても糖質を控えないとダイエットは上手くいかないのでしょうか?
今回は糖質の働きとダイエットについて説明していきます。
結局のところ、糖質はダイエットの敵なのか?そんな素朴な疑問にお答えします。

糖質の働きについて

まず、糖質の働きについて説明していきます。
糖質は三大栄養素の一つで、主にエネルギー源として活用されます。
他の三大栄養素であるたんぱく質と脂質についても説明します。

厚生労働省推奨PFCバランス、糖質50%脂質30%たんぱく質20%となります。やはり主食ということもあり糖質の割合が高いですね。

P:Protein たんぱく質

たんぱく質は肉、魚、乳製品、大豆などに多く含まれています。

身体の構成材料(筋肉、骨、皮膚、内臓、髪など)と酵素の材料になります。
たんぱく質(主酵素)にビタミン(補酵素)とミネラル(主因子)とが組み合わさることで酵素※になり、身体の生体活動全般に影響を及ぼすとされています。
健康増進のため、そしてダイエット期の筋肉を落とさない、代謝を低下させないためにもたんぱく質は必須の栄養素と言えるでしょう。

※酵素とは、身体のあらゆる化学反応(新陳代謝)の触媒として作用します。
この新陳代謝の働きによって我々の生命は維持されています。
筆者は食事とプロテインからたんぱく質を摂取、野菜や海藻、マルチビタミンミネラルによってビタミンとミネラルを補給しています。

参考文献:日本酵素栄養学協会 1.酵素って何?

たんぱく質は1gあたり4Kcalになりますが、DIT(食事誘導性熱生産)が30%となり、摂取カロリーの内30%が消化吸収の際にカロリー消費されるので太るリスクが少ない栄養素と言えるでしょう。
とくに腎臓などに疾患が無い場合、体重×1.0~2.0g(女性は1.0~1.5g、男性は1.5~2.0g)くらいを目安に摂取しましょう。
説明が長くなりましたが、たんぱく質は一番重要な栄養素と言えるでしょう。

おすすめサプリメントのアマゾンリンク↓

F:Fat 脂質

脂質は肉や魚の脂身、油などに含まれています。

細胞膜やホルモンの構成材料とエネルギー源になります。
脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収を助けます。
極端に脂質を制限すると、細胞膜の材料が少なくなることや、脂溶性ビタミンの吸収が悪くなり怪我や体調不良を起こしやすくなります。
そして、トレーニングに有用な成長ホルモンや男性ホルモン(テストステロン)が減少して、トレーニング成果に悪影響を及ぼすことが懸念されます。
脂質は1gあたり9Kcal、DITは4%になります。
カロリーが高く、その反面消化吸収の際のカロリー消費もすくないため、ダイエットにおいては嫌煙される栄養素ですが必要最低料の摂取はしたいところです。

脂質の栄養としての働きの詳細はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:総説論文 脂質栄養と肥満 藤澤 由美子

脂質制限ダイエットなどによって脂質量を減らす場合は、成人男性※の場合20~30g以上、成人女性であれば15~20g以上摂取しましょう。
テストステロン値を低下させずにトレーニング成果をしっかりと発揮するのであれば、成人男性の場合40g以上、成人女性の場合30g以上は欲しいところです。

ここにおける成人男性の定義は体重70㎏、女性は52㎏ぐらいになります。

参考文献:1 3 脂質 – 厚生労働省

C:Carbohydrate 炭水化物(糖質)

糖質は主食(米、パン、麺類)、果物、砂糖などに含まれています。

主にエネルギー源として利用されます。
他の栄養素もエネルギー源として利用されますが、糖質は最も手っ取り早く、最速でエネルギー源として利用されます(詳しくは後記)。
無酸素運動のような激しい運動時に利用されるので、筋肉内や肝臓内にグリコーゲンとして貯蔵されているとパフォーマンスを発揮しやすく、ハードなトレーニングにも耐えられるようになります

また、エネルギー切れによる糖新生(たんぱく質の分解)や筋分解を抑制するため、たんぱく質を節約できるたんぱく質節約作用(プロテインスペアリング)も期待できます。

糖質は1gあたり4Kcalとたんぱく質同等のカロリー、DITは5%と脂質と同等くらいの消化吸収時の消費カロリーがあります。

三大栄養素の各働きの詳細はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:J-STAGE三大栄養素とその役割 : 基礎編

三大栄養素のエネルギー利用の工程

ATP(アデノシン三リン酸)は生体エネルギーの通貨とされ、どの栄養でも最終的にはATPに変換され各組織で利用されます。
そのATPに変換するサイクルをTCAサイクルと呼び、各栄養素→アセチルCoAからTCAサイクルを経てATPに変換されます。

たんぱく質と脂質のエネルギー利用の工程

たんぱく質は糖新生を経てピルビン酸に変化し、アセチルCoA→TCA回路にてエネルギー(ATPへ)変換されます。
脂質もβ酸化によってアセチルCoAに変換され、エネルギー利用されますがいづれも工程が複雑で、エネルギー利用まで時間が掛かります。
また、脂質のβ酸化には酸素が必要な酸化機構となり、日常生活もしくは緩やかな運動である有酸素運動のときにエネルギーとして利用されます。

要は無酸素運動などのハードなトレーニングにおいてはたんぱく質や脂質はエネルギー利用するには非効率的と言えます

糖質のエネルギー利用の工程

糖質はグルコースに分解→ピルビン酸→アセチルCoAに変換されエネルギー利用されます。
そして、グルコース→ピルビン酸への変換は解糖系機構であり、酸素を必要としないエネルギー変換となりますので、トレーニングなど激しい運動である無酸素運動では糖質を消費する割合が大きくなります。

注意して欲しいのが、有酸素運動だから脂質を100%利用、無酸素運動だから糖質を100%利用、みたいな感じで完全に切り替わるという訳ではなく割合が変化していきます。
厳密には完全な無酸素運動なんて存在しないとも言えますが・・・。

運動強度とエネルギー利用について

より超高強度な運動(限界まで運動時間が概ね30秒以内)はホスファゲイン機構とされ、血中や筋肉内のATPを直接消費し糖質を若干消費します。
高強度な運動は解糖系(運動時間40~60秒がピーク)として、糖質を主に消費して、次に脂質も若干消費されます。
低強度な運動は酸化機構(運動時間2分以上から優位に)として、脂質を主に消費して糖質も若干消費されます。
みたいなイメージとなります。

3大栄養素の各エネルギー利用する仕組みの詳細を知りたい方はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:3大栄養素(エネルギー)が互いに変換され利用される主な仕組み

糖質摂取のメリット

そんな糖質ですが、糖質を摂取することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

・エネルギー切れを予防するのでトレーニングがしっかりと行える
→無酸素運動時のエネルギーとして糖質が主に利用されます。
糖質をトレーニング前やトレーニング中のワークアウトドリンクとして摂取すると、トレーニングパフォーマンスが低下せずに集中してできます。
結果的に運動量が増えますし、筋肉への刺激が強くなるため筋肥大しやすくなるでしょう。

ワークアウトドリンクとトレーニング後のプロテイン+和菓子

・トレーニング時の筋分解を抑制し、結果的に筋肥大しやすくなる
→トレーニング中に糖質が枯渇するとたんぱく質が糖新生によってエネルギーとして利用されます。
この際に筋肉を分解してエネルギー利用しようとしてしまうので、トレーニング中の糖質摂取を推奨します。
なるべくトレーニング中の筋分解を減らすことで、結果的に筋肥大しやすくなると言えます。
2歩下がって(分解)3歩進む(肥大)よりも、1歩下がって3歩進む方が成長が早いということです。

・たんぱく質摂取量を節約できてお財布にも優しい
→糖質を摂取することで、エネルギー枯渇による糖新生をなるべく防げるのでたんぱく質節約作用を期待できます。
たんぱく質は肉、魚、卵、大豆、乳製品(プロテイン)などに含まれていますが、主食に比べると高価なためたんぱく質を節約できるということはお財布にも優しくて助かります笑

逆に、糖質制限ダイエットの際は筋分解を抑制するための必要たんぱく質摂取量を要求されるので、食材に掛かる費用も高くなってしまいます。

・インスリンの分泌を促して筋肥大も促す
→糖質を摂取すると膵臓からインスリンが分泌され、上昇した血糖値を下げて糖質を筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄積しようとする働きがあります。
このインスリンには栄養を取り込む作用があり、例えばたんぱく質と一緒に糖質を摂取するとたんぱく質を取り込もうとします。
また、mTORを活性化して同化を促すため筋肥大に有用となります。

mTOR(エムトア):タンパク質キナーゼの一種で、体組織の合成を促進させる働きがあります。
mTORについての詳細はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:栄養センシングと細胞機能の制御 – J-Stage

・代謝を正常に保つ(甲状腺機能低下とFOXO活性化の防止)
→糖質制限を続けると甲状腺機能低下やFOXO活性化によって代謝低下が懸念されます。
代謝低下だけでなく、筋肉量の低下も懸念されるのでボディメイクのゴールである、脂肪が少なく筋肉量が多いという条件から遠のいてしまいます。
ケトジェニック食のような完全糖質制限(糖質量1日50g以内)は2~3ヶ月くらいに、その後は緩い糖質制限であるローカーボ食(1日100g以内)にするか、糖質を摂取して脂質を抑える脂質摂取食への移行がおススメです。

長期的な糖質制限による影響はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:2012 年度 修士論文 長期的な無糖質食摂取がラットの糖代謝能に及ぼす影響

糖質摂取のデメリット

では、糖質を摂取するデメリットは何なのでしょうか?

・完全な糖質制限に比べるとゆるやかな体重、体脂肪の落ち方になる
→糖質を制限すると糖質が身体から抜けて水分も一緒に抜けます。
その瞬間的な体重の落ちと、ケトーシス状態(脂質をケトン体として上手くエネルギー利用されている状態)であれば体脂肪の落ち方も良いと言えます。
それに比べると、糖質を摂取して脂質を抑える食事では緩やかに落ちていくイメージがあります。
逆に運動量の多い方であれば、糖質を摂取してしっかりとトレーニングした方が落ちが良い場合もあります(筆者もそうです)。

・脂質が過多になったときに糖質も摂取していると体脂肪が増加しやすくなる
→糖質を摂取してインスリンが分泌された状態で、脂質を摂取すると体脂肪に合成されやすくなります。
いづれにしてもダイエット期であれば糖質+脂質の組み合わせは避けたいところです。
焼肉など脂質の多い食事をする際は糖質を抑えるなど、糖質+脂質の組み合わせを避けると良いでしょう。

・糖質を摂取して脂質を抑える食事管理には慣れが必要(食材選びが大変)
→糖質を摂取してダイエットをする際には脂質を抑える必要があります。
そして高たんぱく質な食材を選ぶ必要があるので外食だと難しく、自炊でも食材選びにコツが必要になります。
外食ならなるべく海鮮系の丼ものや定食、軽食であればおにぎりとプロテインの組み合わせも悪くないでしょう。
自炊するのであれば、肉は鶏胸肉皮無しあたりがコストパフォーマンスが良く主なたんぱく質源となるでしょう。

・糖質摂取しやすく、カロリー過多になる傾向がある
→たんぱく質よりも主食の方が食べやすくてついつい食べてしまう・・・。
と言った方も多いでしょう。
これはしっかりと量をコントロールしてもらうこと、意外にも飲料から糖質を多く摂取してしまうことがあるので糖質量をしっかりと意識することが大切です。
私の場合、お米+鮭+鶏むね肉皮無しを炊き込みご飯にしてタッパーに1日分入れることで量を管理しています。

筆者の特性釜めしのタッパー詰め

あとは糖質を多量に摂取すると肥満や病気の原因にもなるのと、インスリン感受性低下によって筋肥大しにくく体脂肪が付きやすくなることが懸念されます(何事もそうですが、量をコントロールしてのバランスが大切です笑)。

リスクの少ない糖質摂取方法

運動前後に糖質を摂取することがおススメです。
トレーニング前であればトレーニング時に利用され、トレーニング後であれば肝臓や筋肉内のグリコーゲンが枯渇しているのでGLUT4が活性化していて太りにくいとされています。
むしろ、たんぱく質と一緒に摂取すれば同化作用が促されて筋肥大しやすいという大きなメリットになります。
脚トレーニングなどの激しい運動をする際はワークアウトドリンクとして糖質を摂取しても良いでしょう。

トレーニング前後とトレーニング中の栄養摂取はこちらを参考にしてみてください。

参考文献:トレーニング効果を100%引き出す栄養補給の方法

結局のところ糖質はダイエットにとって敵なのか?

では結局のところ糖質はダイエットにとってどうなのでしょうか?

トレーニングの質を高めたり、筋分解を防いだり、トレーニング後の筋肥大を促したり、身体の回復を早めたり、代謝を正常に保ったりと恩恵も大きいと言えます。
筋肥大(バルクアップ)と長期的で堅実なダイエットには糖質摂取を、短期集中でダイエットするなら完全糖質制限といったところでしょうか。
後記するように糖質を摂取する際の脂質摂取には気をつけてください。

食事管理方法について

ダイエット食として推奨されるのは、糖質制限もしくは脂質制限となります。
イメージとしては下記の通りになります。
〇しっかりと摂取 △最低料を摂取 ×極力摂取しない

糖質制限食:たんぱく質〇 脂質〇 糖質× 

脂質制限食:たんぱく質〇 脂質△ 糖質〇

糖質と脂質の両方を制限すると筋肉や代謝が低下しやすくなりリバウンドリスクが向上するので、糖質と脂質のどちらかを低く抑えてコントロールするのがおススメです。
デスクワークで活動量が少なく、トレーニング頻度も週2日以下であれば糖質制限
トレーニング頻度が週3日以上で運動量が多いのであれば脂質制限がおススメ

詳しい食事管理方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
糖質制限と脂質制限(カロリー制限)のメリットとデメリットとは?
脂質制限(カロリー制限)ダイエットの実施方法について
間違えて実施すると危険?糖質制限の効果と正しいやり方を紹介!

まとめ

糖質はエネルギー源として利用されやすい栄養素になります。
このことから、トレーニング時のパフォーマンス向上や筋分解を抑制することを期待できます。
たんぱく質節約作用、さらにインスリンによる筋肥大、代謝を保つというメリットもあります。
トレーニング前後の糖質摂取はメリットが大きく、糖質を気にする方はそのタイミングで摂取することをおススメします。
ダイエットの際は完全糖質制限(ケトジェニック食)は2~3ヶ月くらいにした方が良いでしょう。
糖質を摂取するダイエット方法では脂質を抑える脂質制限食となります。
糖質制限ダイエットは運動習慣の少ない方、脂質制限ダイエットは運動習慣の多い方にオススメとなります。
結論として、糖質=ダイエットの敵という訳ではなく、目的、他の栄養素とのバランス、摂取するタイミングによって大きな恩恵もある素晴らしい栄養素となります。
昔から日本人は糖質と馴染みのある民族ではあるので、糖質=敵という先入観を捨てて上手に摂取してボディメイクを効率よく図っていきましょう!

以上になります!

image

当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!

カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

杉並区の京王井の頭線西永福、浜田山が活動拠点になります。

↓当ブログの記事に質問、お問合せ↓質問相談ボタン

                ↓ワイズパーソナルジム の無料カウンセリング体験トレーニングのお申し込み

↓パワーフィットスタジオZEROのホームページ

フィットネスジム

↓記事が役立つだとと思ったらクリックお願いします!↓

「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
東京都杉並区大宮2-7-4
京王井の頭線 西永福駅から徒歩5分

【パワーフィットスタジオZERO】
東京都杉並区高井戸東3-14-16
京王井の頭線 浜田山駅から徒歩5分