ワイズパーソナルジム代表の義田大峰です。

前回の記事では「糖質制限と脂質制限(カロリー制限)のメリットとデメリットとは?」にて、糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットのメリットとデメリットの比較、メカニズムを説明してきました。

今回は脂質制限(カロリー制限)ダイエットの実施方法について説明します。
私事ですが、糖質制限ダイエットよりもこの脂質制限ダイエットの方がしっかりと絞れました!

糖質制限では早い段階で停滞してしまい絞り切れませんでしたが、糖質を摂取する脂質制限では緩やかですが大きく絞り上げることが出来ました!

それでは、私が実施/指導している脂質制限食を「目標摂取カロリーの算出方法」→「食事例とそのポイント」の順番に説明します。


目次
1.脂質制限ダイエットにおける目標摂取カロリーの算出方法について
1-1.体組成計を元にした目標摂取カロリーの算出方法について
1-2.ダイエット前までの食事からの算出方法(わりと高精度)
2.脂質制限ダイエットの食事例とそのポイントについて
2-1.朝食の例
2-2.朝~昼までの間食の例
2-3.昼食の例
2-4.夕食の例
2-5.寝る前の間食の例
3.週1日程度のファットローディングデー
4.まとめ

1.脂質制限ダイエットにおける目標摂取カロリーの算出方法について

まず脂質制限ダイエットを実施するにあたり、目標摂取カロリーを求めないと一日に摂取して良い食事のボリュームが決まりません
目標摂取カロリーの算出方法は「1.体組成計から求める方法」と「2.ダイエット前までの食事から求める方法」の2通りあります。

個人的には後者の方法がおススメですがそれぞれの方法について説明します。

ダイエット期においてはカロリーバランスを 摂取<消費 にすることが大前提になります。

1-1.体組成計を元にした目標摂取カロリーの算出方法について

体組成計の基礎代謝の数値と生活活動強度指数から目標摂取カロリーを求めることができます。
開始時の私の体組成を参考に説明します。
体組成計:タニタRD‐906 体重:88.4kg 体脂肪率:14.0% 除脂肪体重:76.0kg 基礎代謝:2020Kcal
生活活動強度指数※:1.7~1.9

※生活活動強度指数の例
寝たきり状態=1.0
通勤ありデスクワーカー=1.3
座位の多い専業主婦=1.5
立ち仕事がメイン=1.7
運搬や農耕など肉体労働者=1.9

この体組成計の数値を元に一日の消費カロリーを算出します。
基礎代謝 × 生活活動強度指数で算出されますので、
私の基礎代謝が2020Kcal、生活活動強度指数は1.7としたときの1日の消費カロリーは
2020x1.7=3434Kcal となります。
となると、まずは3000Kcalを目安に摂取していけば、約‐400Kcal分の体脂肪は毎日減っていく計算になります。

しかし、この消費カロリーの算出方法は体組成計の数値が正しければあてになります。
しかし、体組成計をよく利用している方はご存知だと思いますが「体組成計の測定誤差が大きい!」ことがかなりデメリットになります。
(体組成計の機種差だけで体脂肪率が5%くらいは簡単に変動してしまいます・・・)
そうなると、何を正としてカロリーを算出すればいいのか分からなくなります・・・

※厚生関係審議会議事録等 第6次改定日本人の栄養所要量について
https://www.mhlw.go.jp/www1/shingi/s9906/s0628-1_11.html

1-2.ダイエット前までの食事からの算出方法(わりと高精度)

体組成計を利用しないで簡単に目標摂取カロリーの算出する方法があります。
それは、ダイエットをする前の食事から摂取カロリーを算出することです。

というのは、今までの食事で体重をキープしていた場合は、カロリーの収支が 摂取=消費 となっており、そこからカロリーを引いていけば体脂肪が落ちていく理屈になります。
(ただし、ダイエットを開始すると代謝は必ず低下するので、この目標摂取カロリーは期間ごとに見直していく必要があります。)

例えば、ダイエットを1週間後にスタートする場合は、いつも食べている内容を一週間の期間、細かくメモするか写真を撮影しておきます。
この際に成分表まで残しておけるとカロリー計算がしやすくなります。

私の場合は、増量期間の食事での摂取カロリーは3000~3500Kcalで、増量末期ではその摂取カロリーで体重がキープされていました。
この数値を元にすると2000~2500Kcalの摂取カロリーにすれば、約-1000Kcal分の体脂肪は毎日減っていくことになります。
(体脂肪は1kgで7200Kcalなので、-1000Kcalだと1週間で1kgの体脂肪が落ちる計算になります)

このように、現摂取カロリーの算出方法と体組成計からの算出方法の結果を両方踏まえると、私の場合は約2500Kcalを一日の目標摂取カロリーとして設定することに決めました。

2.脂質制限ダイエットの食事例とそのポイントについて

目標摂取カロリーが算出出来たら、具体的にどの食材を摂取していくかを考えていく必要があります
脂質制限ダイエットのPFCバランス(三大栄養素の摂取カロリーの内訳 P:タンパク質 F:脂質 C:炭水化物もしくは糖質 のそれぞれの比率)は、タンパク質:脂質:糖質 = 3:2:5くらいを目安とします。

脂質に関しては、健康維持のため総摂取カロリーの内20%くらい※は摂るようにしましょう
例えば、総摂取カロリーを1800Kcalと定めたとき40gになります。
※3 脂質 – 厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf

また、この食事例の摂取カロリーは私の基礎代謝や運動習慣が基準になってますので、実施する際は個人に合わせて調整していきましょう!

2-1.朝食の例(トレーニングしない日の食事実施例)


オートミール(オーツ麦)を大さじ4杯80g
(参考値)オートミール100g→タンパク質14g脂質6g糖質69g 380Kcal
キウイフルーツを1個
1個90g→タンパク質1g脂質0g糖質12g 46Kcal
ギリシャヨーグルト脂質0を1個
1個→タンパク質10g脂質0g糖質12g 90Kcal
プロテイン20gにMCTオイル5cc、えごま油を5cc、オリーブオイルを5cc、(予算に余裕があるときはEAAを10gも)
サプリメントはマルチビタミンミネラル、魚油(DHA/EPA)、Rリポ酸、HMB

栄養価とカロリー(あくまで概算です)
タンパク質:40g
脂質:20g
糖質:80g
計660Kcal

ポイント
食物繊維が多く糖質の吸収が緩やかな主食のオートミールを選びました。
このような血糖値を一気に上げにくい「低GI食」はダイエットにおススメな糖質になります。
ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も多いのも特徴です。

キウイフルーツは果実の中でもビタミンやタンパク質分解酵素の多い栄養価の高い果実になります。

ギリシャヨーグルトは高たんぱく、低脂質で有名なヨーグルトです。
無糖の物はより少ない糖質量を誇ります。

脂質制限時でも必須脂肪酸は摂取したいので、サプリにてオメガ3系脂肪酸のDHA/EPAを、えごま油にてαリノレン酸を摂取します。
脂質制限時に敬遠されがちな飽和脂肪酸もMCTオイル(中鎖脂肪酸100%)はホルモンの材料として多少は摂取したい脂質です。

2-2.朝~昼までの間食の例


昆布おにぎり1個
1個→タンパク質5g脂質1g糖質35g 170Kcal
ギリシャヨーグルト1個
エナジードリンクカロリーゼロ(ただの好みで(笑))

栄養価とカロリー
タンパク質:10g
脂質:1g
糖質:60g
計290Kcal

ポイント
白米は消化吸収の早い糖質「高GI食」ですが、おにぎりなど常温以下に冷やすことによって「レジスタンススターチ(難消化デキストリン)」に変性し食物繊維が増えたような状態になるので消化吸収が緩やかになります。

2-3.昼食の例


玄米100g
玄米100g→タンパク質7g脂質2.7g糖質74g 350Kcal
ささみ100gとほうれん草とブロッコリーをオリーブオイルで炒めたもの
ささみ100g→タンパク質23g脂質1g糖質0g 105Kcal
ギリシャヨーグルト1個

栄養価とカロリー
タンパク質:40g
脂質:10g
糖質:74g
計550Kcal

ポイント
玄米は食物繊維が多く消化吸収の遅い糖質でビタミンやミネラルの多いダイエットに適した糖質です。
反栄養素のフィチン酸を考慮すると、水に10時間程度漬けてから炊くとビタミンに吸収を阻害されません。
ささみは高たんぱく低脂質で良く知られるヘルシーな食材です。
ブロッコリーに含まれる「インドール3カルビノール」は女性ホルモンの悪い働きである皮下脂肪の蓄積や筋肉を分解する作用を打ち消してくれる物質になります。

2-4.夕食の例


玄米100g
納豆2パック
納豆四角パック1個50g→タンパク質8g脂質5g糖質6g 100Kcal
プレーンオムレツ(全卵1個、白身のみ2個分)
全卵1個→タンパク質7g脂質6g糖質0g 90Kcal
白身1個→タンパク質4g脂質0g糖質0g 18Kcal
サプリメントはマルチビタミンミネラル、魚油(DHA/EPA)、Rリポ酸、HMB

栄養価とカロリー
タンパク質:40g
脂質:25g
糖質:86g
計480Kcal

ポイント
納豆は個人的な好みと、発酵食品による腸内環境の改善を期待しています。
腸内環境改善については「健康グルメリポート~腸内環境に最高の居酒屋「菌太郎」~」に詳しく書いてますので参考してみて下さい。

卵は全卵だと脂質が多くなりますが、白身のみでしたら脂質は0の高たんぱくな食材になります。

2-5.寝る前の間食の例


プロテイン30g、グルタミン入り、(予算に余裕があるときはEAAを10gも)
栄養価とカロリー
タンパク質:30g
脂質:0g
糖質:0g
計120Kcal
ポイント
ビタミンミネラルと合わせて非必須アミノ酸であるグルタミンを摂取することで免疫力低下や筋分解を防ぐことが期待できます。

1日に摂取した栄養素と総摂取カロリー
タンパク質:160g
脂質:56g
糖質:300g
計2350Kcal

トレーニング日の食事実施例
基本的にこの様な食事内容に、トレーニング前、中、後の食事が追加になる形になります。
トレーニング時の栄養摂取については「トレーニング中の栄養補給がトレーニングの成果を決める!」を参照下さい。

3.週1日程度のファットローディングデー

ファットローディングデーでは、脂質制限で避けがちな肉、卵黄、チーズなどの飽和脂肪酸を積極的に摂取していきましょう。

脂質は、テストステロンや成長ホルモンなどの材料となり筋肉成長に有用な働きがあります
脂質制限によってこの働きが弱まるのは勿体無いので、個人的には週1日程度ファットローディングデー」を設けることを推奨します。
このファットローディングデーは、基本的に糖質制限食(低糖質、高タンパク質、高脂質)を実施します。

糖質制限食の詳細は「間違えて実施すると危険!糖質制限の効果と正しいやり方を紹介!」を参照下さい。

4.まとめ

脂質制限ダイエットを開始するにあたり、まずは目標摂取カロリーを算出します。
オススメの算出方法は、ダイエット前の食事の摂取カロリーを割り出してそこから少しづつカロリーを引いていく方法になります。
開始時はおおよそダイエット前の食事-300〜500kcal程度引いた値にしましょう。
(これはダイエット期間や目標値によって変化します)

摂取カロリーの三大栄養素の内訳としては、タンパク質:脂質:糖質=3:2:5 を目安にしましょう。

摂取する脂質は、マーガリン(トランス脂肪酸)や揚げ物(過酸化脂質)などは避けて、肉の脂身、チーズなどの飽和脂肪酸は控えめにします。
代わりに魚の油や亜麻仁油、えごま油は生で摂り、調理にはオリーブオイルなどの脂質を用いましょう。

摂取する糖質は、玄米、雑穀米、サツマイモ、蕎麦、バナナ、オートミールなどの食物繊維が豊富で吸収の緩やかな糖質(低gi食)を優先して摂取していきましょう。
糖質は一食に大量に摂取しないように気をつけましょう。

週1日程度ファットローディングデーを設けて、この日は低糖質、高タンパク質、高脂質の食事を摂取して、脂質制限食で不足する脂質を補います。
この日は、肉や卵黄、チーズなどの飽和脂肪酸もしっかりと摂取していきましょう。

以上が脂質制限食の実践方法となります。
実施する際は健康状態に気を使い、体調不良などがあった際は無理せずに食事を戻すようにしましょう。
また、持病などの健康不安がある場合は事前に医師との相談した上で実施するようにしましょう。
今後も、ボディメイクや競技力向上に必要な栄養、トレーニングなどの情報を投稿しますので引き続きよろしくお願い致します!

当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!
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カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

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