ワイズパーソナルジム代表/パワーフィットスタジオZEROオーナーの義田です。

パーソナルトレーナーという職業を長く実施していると、お客様や友人から色々と質問をされます。
運動生理学、栄養学、機能解剖学の知識、更に現場の経験も踏まえて、それらの観点から質問に答えるコーナーを設けました!
今回は皆さまの関心の高い”ダイエット”に関する質問に答える回となります。
質問数が多いため、前回の”導入&食事編”と今回の”運動編”の2編成になります。

ボディメイク
筆者がトレーナーを目指したきっかけはダイエットで肥満を解消したこと!120→70㎏まで2年間かけてダイエットしました。

ダイエットに関する質問~運動編~

Q1:食事管理ができたら運動は何をしたらいいの?

前回の記事を読んでダイエット期の食事管理の大切さを理解しました。
早速アプリをインストールし、カロリーや栄養バランスなど食事管理を開始しました!
次に運動は何をしたら良いでしょうか?
筋トレの無酸素運動は糖質を消費、ジョギングなどの有酸素運動は脂肪を消費すると聞きましたのでジョギングを始めようと思います!

A1:大きな筋肉の筋トレを優先して実施、有酸素運動は適度に実施しましょう

確かに、ジョギングなど有酸素運動は酸化機構を通して脂肪(脂質を)をエネルギーとして消費します。
一見、ダイエット期の運動は有酸素運動が最適!と思ってしまいますが、実は筋トレなどの無酸素運動を優先して実施した方が良いのです!理由としては3つあります。

1.筋肉量低下を防ぐ
→ダイエット期はカロリー摂取量と栄養状態が少なくなりますので、体脂肪と共に筋肉も減少しやすい状態と言えます。
ここで筋トレを実施していれば、トレーニング後の筋合成(筋肉を増やそうとする働き)とダイエットによる筋分解を相殺してくれるイメージで筋肉量低下を防いでくれるのを期待できます。
筋肉量が減ってしまうと代謝が低下してリバウンドしやすくなってしまいますし、皮膚や皮下脂肪が垂れてしまうので老けて見えてしまいます・・・。
ただし、トレーニング歴が長く筋肉量が多い状態になってくると、少なからず筋肉量は低下してしまいます。
逆にトレーニング初心者であればダイエット&筋肥大もそこまで難しくはないでしょう。
だからこそ、ダイエット期の筋トレは大切と言えるでしょう!

2.筋肉内のUCPを増加させて代謝を上げる
→ UCPとは脂肪や筋肉内に存在するタンパク質の一種で、安静時の熱生産の働き(=代謝を良くする)があります。
UCP1は褐色脂肪細胞に存在しますが先天的要素が強いです。
UCP2は白色脂肪細胞に、UCP3は筋肉(骨格筋)に存在しています。
このUCP3を増やすことが、代謝の良い太りにくい身体作りに直結すると言っても過言ではありません。
UCP3は遅筋よりも速筋に多く、筋トレによって速筋を増やせばUCP3も増加します。
逆に、過度な有酸素運動の実施は速筋を遅筋に変え、UCP3を減らす方向へとシフトしていきます
このUCPの特性をまとめると、有酸素運動によって減りやすく、筋トレなどの無酸素運動によって増えやすくなります
食事制限+有酸素運動のみで体重を落とした人が後々リバウンドしやすくなるのはこのためと言えるでしょう
正しいダイエットには食事制限+有酸素運動だけでなく筋トレも必要不可欠なのです!

3.EPOCという運動後の更なる消費カロリーを望める
→ 筋トレなど無酸素運動を実施すると血中の酸素濃度低下と乳酸が蓄積します。
乳酸を処理するためさらに酸素を消費するため、ちょっとした「酸欠状態」になります。
この酸欠状態を回復させるために余分にカロリーを消費します。
これをEPOC(過剰酸素消費量)と呼び、トレーニング後のボーナスタイム的なカロリー消費になり、最大で24時間持続するという研究結果もあります。
トレーニング種目ごとにEPOCの効果を測定したデータでは、上半身種目よりも下半身種目の方が効果は高く、さらにスクワット(バーベルを担ぐバックスクワット)やデットリフトのような体幹部や上背部も関与する複合的な種目が一番効果的という結果でした。

確かに有酸素運動は運動中にカロリーを消費しますが、安静時のカロリー消費を増大させることはありません。
この点からも筋トレなどの無酸素運動もダイエットに効果的と言えます。
ジムに行って筋トレ!ではなくても、インターバルトレーニングを取り入れたダッシュなどやHIITなどもEPOCの効果を望めるため、ジョギングと並行してして実施すると良いでしょう。

詳細は過去記事「ダイエットにおいて筋トレが最強な理由について」を参照してください。

https://power-fit-studio-zero.com/chx55119/diet-training/

HIITについては過去記事「パワーマックスは何が素晴らしいのか?」を参照してください。

Q2:ダイエット時のトレーニング頻度はどれくらい?

さっそく筋トレを実施したいと思いますが、ダイエットのために週何回の頻度でトレーニングしたら良いでしょうか?

A2:代謝を高めるため週2〜3回がオススメ

先ほど説明したEPOCの効果と、筋肉の回復速度から週2〜3回の実施がオススメです。

週2の場合は、中2日で実施(例えば火曜日と土曜日など)
Day1:脚(とくに前もも)、肩、二の腕(上腕三頭筋)、腹筋群
Day2:胸、背中と腰背部、脚(とくにお尻やもも裏)、腹筋群

週3の場合は、中1日で実施(例えば月曜日、木曜日、土曜日など)
Day1:脚、上腕三頭筋、腹筋群
Day2:胸、肩
Day3:背中と腰背部、上腕二頭筋、腹筋群

になります。
具体的なトレーニング種目は次の項目で説明します。

Q3:ダイエット時のトレーニングはどんな種目がオススメ?

大きな筋肉を鍛えればダイエットに良いとのことですが、具体的にどの種目を実施すれば良いでしょうか?

A3:スクワット、ベンチプレス、デットリフト、ショルダープレス、チンニングなどBIG5から優先すべし

大きな筋肉として、お尻(臀筋群)、ももやもも裏(大腿四頭筋、ハムストリングス)、肩(三角筋)、背中(広背筋、僧帽筋、起立筋)、胸(大胸筋)、二の腕(上腕三頭筋)になります。
種目としてはスクワット(ブルガリアンスクワットでも代用可)、デットリフト(バックエクステンションでも代用可)、ベンチプレス(ダンベルベンチプレスでも代用可)、ショルダープレス、チンニング(ラットプルダウンでも代用可)になります。

トレーニング種目と鍛えられる筋肉

スクワット:大腿四頭筋、臀筋群、腹筋群、起立筋

デットリフト:臀筋群、ハムストリングス、起立筋、僧帽筋、腹筋群

ベンチプレス:大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部

ショルダープレス:三角筋、上腕三頭筋

チンニング(懸垂):広背筋、上腕二頭筋

チンニングの方法↓

ラットプルダウンの方法↓

シーテッドロウイングの方法↓

トレーニングを週2回実施の場合

day1:スクワット、ベンチプレス、ショルダープレス、トライセプスエクステンション、腹筋運動

ライイングトライセプスエクステンションの方法↓

腹筋運動”アブローラー”の方法↓

day2:ベンチプレス、デットリフト、チンニング、バックエクステンション、腹筋運動

バックエクステンションの方法↓

腹筋運動”ニーアップクランチ”の方法↓

週3回実施の場合

day1: スクワット、ブルガリアンスクワット、ナローベンチプレス、トライセプスエクステンション、腹筋運動

ブルガリアンスクワットの方法↓

day2:ベンチプレス、ダンベルベンチプレス、ダンベルフライ、ショルダープレス、サイドレイズ

ダンベルベンチプレスの方法↓

ダンベルフライの方法↓

サイドレイズの方法↓

day3:デットリフト、チンニング、バックエクステンション、インクラインアームカール、腹筋運動

インクラインアームカールの方法↓

がおススメです。

Q4:インターバルはどれくらいがいいの?

トレーニング頻度、トレーニング種目は分かりました!
トレーニングの間のインターバルは何秒くらいが良いでしょうか?

A4:ダイエット期は短めにするのがオススメ、60〜180秒を種目によって変える

上半身種目は60〜120秒下半身種目は90〜180秒くらいにして、血中乳酸濃度を高めてパンプアップさせることが大切です。
結果的に成長ホルモン→ホルモン感受性リパーゼが分泌されて体脂肪分解を促します。
メインセットの反復回数は多関節運転は8〜12回、単関節運動は12〜20回と高回数、セット毎に重量を落としていくドロップセットがオススメです。

逆に脂肪燃焼よりも筋肥大を促す際はインターバルをしっかりと取ります。
セット間で乳酸がある程度除去されてパフォーマンスが発揮する状態でトレーニングし、筋肉へ物理的な刺激をしっかりと与えていきましょう。
筆者の場合、パワーリフティングで重量を持ちたいため(強くなりたい!)、ダイエットでもセット間のインターバル長めに設定する派です。

Q5:有酸素運動のタイミングは?

普段、デスクワークで消費カロリーを稼ぎたいので有酸素運動を実施したいのですが筋トレ前、後いつ実施すれば効果的でしょうか?

A5:トレーニング後が一般的だが諸説あり、正直好きなタイミングで良い

デスクワークで生活強度が低い人の場合、筋トレ以外にも有酸素運動を実施して消費カロリーを稼いだ方が痩せやすいのは事実です。
タイミングによって効果が変わりますし、メリットやデメリットも変わります。
・トレーニング後
すぐに脂肪燃焼しやすい、筋肥大やEPOC効果を阻害する可能性あり
・トレーニング前
筋肥大やEPOC効果を阻害しない、疲労や筋グリコーゲンを消耗するので筋トレへの悪影響
・オフの日
筋肥大やEPOC効果に悪影響を与えずに消費カロリーを稼げる
と一長一短あります。
筋トレの無い日に有酸素運動を実施するのが一番無難な感じがありますが、正直なところどちらでも良い考えです笑
筆者は有酸素運動としてシャドーやサンドバッグ打ち、空手稽古をオフ日もしくはトレーニング後に実施しています。

まとめ

ダイエット時の運動において優先すべきは筋トレです。
これは筋肉量、EPOC効果、UCPの観点から筋トレが最適という考えです。
とくに大きな部位のトレーニングを実施することが重要になり、種目としてはスクワット、デットリフト、ベンチプレス、ショルダープレス、チンニングが良いでしょう。
トレーニング頻度としては週2~3回、それぞれ部位を分割して実施し代謝の高い状態をキープしていきましょう。
上半身種目は60〜120秒、下半身種目は90〜180秒くらい設定し、乳酸の溜まるパンプアップ感を大事にしましょう。
普段の仕事がデスクワークなど、生活での消費カロリーが低いと思われる方は有酸素運動も取り入れると良いでしょう。
有酸素運動は好きなタイミングで実施し、生活や趣味の延長線上で無理なく実施出来れば良いでしょう。

是非、この記事を参考にしてダイエットを成功させ、理想的なボディーを手に入れましょう!
私もくっきり6パックを目指して緩くダイエットを継続しています笑
前回の食事管理も大切になりますので、まだご覧になられていない方はこの記事を読んでみてください。
引き続き、このような質問コーナーを設けますので宜しくお願い致します。

以上になります!

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当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!

カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います! この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。 より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。 引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

杉並区の京王井の頭線西永福、浜田山が活動拠点になります。

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「超理論超実践派トレーナー」 義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営) 科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。 自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。 ワイジング株式会社 代表取締役 ワイズパーソナルジム(西永福)代表 パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表 日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格 全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり 全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位 東京都パワーリフティング協会理事 2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝 2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝 自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。 RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。 その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。 【ワイズパーソナルジム】 東京都杉並区大宮2-7-4 京王井の頭線 西永福駅から徒歩5分 【パワーフィットスタジオZERO】 東京都杉並区高井戸東3-14-16 京王井の頭線 浜田山駅から徒歩5分