ワイズパーソナルジムの義田です。
短期集中ボディメイクを謳うRIZAPなど、大手プライベートジムの活躍のお陰で糖質制限ダイエットが流行しています。
専門知識のあるトレーナーや管理栄養士の指導の元に実施されている方。
WEBサイトから知識を拾って自身で実施されている方。
糖質制限やケトジェニックの論文を読んで実施されている方など。
様々な形で糖質制限を実施されていると思います。
しかし、間違えた糖質制限ダイエットを実施してしまい、痩せないもしくはリバウンドしてしまう方々を多く見てきました。
今回は2部編成で糖質制限ダイエットについてお伝えします。
この章では”ダイエットの定義に基づいて糖質制限ダイエットのメカニズム”を説明します。
また、”糖質制限のメリットとデメリット”と”正しい糖質制限のやり方”までを紹介します!
次章では”実際の糖質制限ダイエットにおける食材/食事例/レシピ”を紹介します!
是非この記事の内容を参考にして頂き、無駄なツラさのない正しい糖質制限を実施して健康的に痩せていきましょう!
注:内臓疾患(特に腎機能障害のある方)もしくは健康の不安がある方は医師と相談した上で実施していきましょう。
目次
1. ダイエットの定義と糖質制限のメカニズムについて
(1)ダイエットの定義/大前提について
(2)カロリー制限と糖質制限の違いについて
(3)糖質制限ダイエットのメリットについて
2. 糖質制限のデメリットとリスクについて
3. あなたは間違えている!?正しい糖質制限とは?
(1)糖質制限の間違えあるある
(2)正しい糖質制限のやり方
4. まとめ
目次
1. ダイエットの定義と糖質制限のメカニズムについて
糖質制限でなぜ効率的に体脂肪が燃焼するのかを、ダイエットの定義に基づいて説明します。
(1)ダイエットの定義/大前提について
糖質制限ダイエットを語る前にダイエットの定義/大前提を説明します。
食べ物や飲み物から摂るカロリーを”摂取カロリー”と言います。
1日の生活の中で使用するカロリーを”消費カロリー”※と言います。
※その人の基礎代謝と日常生活での消費、運動を実施すると運動した分だけ消費カロリーが加算されます。
また、食事を消化吸収される過程での消費カロリー(DIT:食事誘導性熱生産)もあります。
ダイエット期においては 摂取 < 消費 のカロリーバランスにすることでカロリーの収支がマイナスになり、その分だけ体脂肪が分解→燃焼されて体脂肪が減ります。
ですので、ダイエットの大前提としてカロリーバランスを摂取 < 消費 にする必要があります。
その上で、カロリーの元となる三大栄養素のPFCバランス(タンパク質、脂質、糖質のバランス)を各メソッドに沿った食事管理を実施すると、筋肉を減らさせずに体脂肪のみを減らす正しいダイエットが実施できます。
簡単に三大栄養素の説明をすると、
タンパク質:筋肉や骨、髪の毛、爪、内臓など身体の材料になる、体調をコントロールする(体脂肪の燃焼にも関わる)酵素の材料にもなるため、タンパク質はどの栄養素の中で最も重要な栄養素です。
1gあたり4Kcalのエネルギーになりますが、DIT(消化吸収する際に消費するカロリー)が約30%と、どの栄養素よりも高い(糖質が約5%脂質が約4%)ため、タンパク質は太りにくい栄養素だと言えます。
参考文献:食事誘発性体熱産生(DIT)におよぼす季節ならびに食餌組成の影響
脂質:ホルモンや細胞膜の材料になります。
体脂肪燃焼を促すテストステロンや成長ホルモンも脂質が材料となりますので、脂質は摂取するものの質を改善して極端に制限しないようにしましょう。
どの栄養素よりもカロリーが高く、1gあたり9Kcalのエネルギーになります。
糖質:三大栄養素の中で最もエネルギー効率の良い栄養素となります。
運動時における筋分解防止やパフォーマンス向上に貢献します。
しかし、糖質は最も手軽に摂れる栄養素ですので一般的には過剰摂取傾向にあり、肥満の原因にもなりやすい栄養素です。
運動時/活動時など、動く分だけ糖質を摂ることが出来ればとても良い栄養素なのです。
1gあたり4Kcalのエネルギーとなります。
(2)カロリー制限と糖質制限の違いについて
では、カロリー制限と糖質制限の違いとは何でしょうか?
結論を言うと、糖質制限はカロリー制限をする手段の一つになります。
先ほどダイエット期においては、カロリーバランスを 摂取 < 消費 の状態を作ることが必要だと説明しました。
タンパク質は最も身体に必要な栄養素であるのでタンパク質の量は減らしません(むしろ増やすこともあります)。
そうなると、残った2つの栄養素である糖質か脂質のどちらかの栄養素をダイエット期には控えることになります。
・各ダイエット法とPFCバランスのイメージ図
糖質制限ダイエット | 脂質制限ダイエット | |
タンパク質 | ◎(もしくは〇) | ◎ |
脂質 | 〇 | △ |
糖質 | × | 〇 |
◎:必要量しっかり摂る 〇:量は管理するが摂取できる △:必要最低量を摂る ×:制限する
脂質制限は1gあたり9Kcalとカロリーの高い脂質の摂取量を制限することが効率的だと考えた食事管理法になります。
カロリー制限=脂質制限と一般的に認識されることが多いです。
糖質制限は1日の総摂取カロリーの約半分(40~60%)を占める栄養素である糖質を制限します。
ですので、糖質制限をすると必然的にカロリー制限となるのです。
後ほど説明しますが意外なことに、糖質制限の効果を高める為には、脂質の摂取量を普段より増やす必要があるのです。
(3)糖質制限ダイエットのメリットについて
まず、主食を抜くだけという食事管理が手軽なところです。
カロリー制限のもう一つの方法である脂質制限は、主食こそ食べられますが肉の脂や調理油/調理法などに気を付けないといけないので正直実施が難しいです。
先ほどの栄養素の話でもありましたが、糖質は最もエネルギーになりやすい栄養素です。
糖質制限して糖質を体内から枯渇させると、エネルギー回路が糖質→脂質(アセチルCoA→ケトン体)へと切り替わり普段から脂肪燃焼がしやすくなります。
↓
筑波大学の研究にて、糖質を抜いて肝グリコーゲン※が枯渇すると脂肪分解シグナルが迷走神経肝臓を経由して伝達され、エネルギー回路がグリコーゲンから中性脂肪(要は糖質→脂質/体脂肪)へと切り替わることが解明されました。
※肝臓に蓄えられた糖質のこと
参考文献:筑波大学肝臓内グリコーゲン量の検知システムを発見~脂肪燃焼との関係を解明、肥満治療へ一歩前進~
糖質制限を開始してから肝グリコーゲンは約12時間後に枯渇すると言われています。
肝グリコーゲンが枯渇すると、運動時だけでなく日常生活での活動でも常に体脂肪が燃焼されている状態になるということです。
夕食だけ主食をカットする糖質制限では、約8時間肝グリコーゲンが枯渇しているので、その8時間は体脂肪が燃えやすくなります。
1日1食だけ主食を食べる緩い糖質制限では、約12時間体脂肪が燃焼されやすくなります。
3食とも主食をカットをする完全糖質制限では、常に体脂肪が燃焼されやすい状態になります。
2. 糖質制限のデメリットとリスクについて
・付き合いでついつい食べてしまうこと
世の中は糖質に溢れているので、糖質制限したいのについつい付き合いで糖質を食べてしまうことがあります・・・。
トレーニング中や後、カーボアップ(ボディオーパスの手法)中など、限られた時間になってしまいますが糖質を摂取しても良いタイミングはありますのでそれら駆使して対処していきましょう!
・長期的な完全糖質制限はリバウンドリスクを高めてしまうこと
長期的な糖質制限は、耐糖能(糖質に対する耐性)の低下、代謝の低下(FOXO活性化、甲状腺機能の低下など)、筋肉量の低下(糖新生による)などのリスクが発生します。
それらは、ダイエットの停滞や糖質摂取時のリバウンドを招くことがあります。
また、緩い糖質制限や糖質摂取量を適切に保つ分にはそのような弊害はなくなります。
それぞれ対処方法がありますが、おススメなのは完全糖質制限を2~3ヶ月と短期間集中で実施して、その後は緩い糖質制限を実施することです。
糖質制限食から普通食への食事の戻し方は「低糖質ダイエット後の糖質の戻し方について」をご覧ください。
参考文献:
骨格筋機能と FOXO タンパク質
2012 年度 修士論文 長期的な無糖質食摂取がラットの糖代謝能に及ぼす影響
3. あなたは間違えている!?正しい糖質制限とは?
巷では糖質制限ダイエットが流行していますが、よくある間違いの例とその改善策を説明致します。
(1)糖質制限の間違えあるある
・そもそも糖質をきちんと制限できていないパターン
主食以外にも、意外と糖質の多い食材があります。
主食をカットしていても、それらを摂取してしまい糖質が制限出来ていないパターンがあります。
次章の糖質制限食のOK食材とNG食材にて具体的に説明しますが、糖質制限時は摂取する食材は吟味していきましょう!
完全糖質制限食の糖質摂取量は30~50g以内/日を目安にします。
3食とも主食無しだけどおかずなどの糖質をあまり気にしない、もしくは1日1食主食有りの緩い糖質制限は100g/日を目安にします。
・糖質と脂質の両方を制限しているストイックなパターン
糖質と脂質の両方を制限してしまっているパターンも意外と多いです。
「脂質も制限していてストイックな糖質制限だろ~!?」と自慢げにしている人やアホなトレーナーをたまに見かけますが。
その行為は本来の正しいダイエット(体脂肪を落とす)ではありません。
確かに体重は良く落ちますが、なんと筋肉ダイエットとなってしまうのです!
糖質制限発祥の本場アメリカでは糖質制限のことをケトジェニックと呼びます。
ケトジェニックでは糖質制限をする代わりに、脂質をしっかりと摂取して脂質(体脂肪や摂取した脂質)をケトン体へと変換させて、日常での主なエネルギー回路として代謝させるケトーシス状態を作ることが目的とされています。
ケトジェニックのPFCバランスは、タンパク質:脂質:糖質=3:6:1 となり、総摂取カロリーの60%と意外と脂質による摂取カロリーが高いのです。
これは、脂質をケトン体に変換させてケトーシス状態を作るために、脂質による摂取カロリーがタンパク質よりも上回っていることが必要だからです。
ですので、糖質制限中に脂質までも制限してしまうと、タンパク質から糖を生み出してエネルギー化(糖新生)して活動しようとします。
それはダイエットではなくて、まさに筋肉ダイエットになってしまうので絶対に避けましょう!
貴重な筋肉を失ってしまう、糖質と脂質を制限をするくらいなら何もしない方がマシなくらいです・・・。
(2)正しい糖質制限のやり方
正しい糖質制限(ケトジェニック)のPFCバランスは、タンパク質:脂質:糖質=3:6:1になります。
糖質を制限する代わりに、タンパク質と脂質をしっかりと摂取することが糖質制限成功の秘訣となります。
ですので、一般的に脂質が多いイメージの肉類、バターやチーズ、全卵、アボカド、ナッツ類、オイル類(オリーブオイルやココナッツオイルなど)なども気にせずに摂取しても良いのです。
今まで主食を食べているときは、主食に含まれる食物繊維+水分を同時に摂取出来ていましたが、糖質制限をするとそれらが摂れなくなり便通が悪くなりがちです。
ですので、葉物野菜などから食物繊維を多く摂取し、水を多めに摂取(女性1.5L以上、男性2L以上が目安)を意識していきましょう!
糖質制限ダイエットにおススメのサプリメント↓
糖質制限食に必須な脂質!MCTオイル
このメーカーはどのサプリメントも高品質/低価格で良心的です。
MCTオイルも約1Lで2200円は安いです!(安くてもこの倍くらいの値段はします)
ホエイプロテイン
プロテインは「WPC」→「WPI」→「WPH]とだんだん粒子が細かくなってきます。
「WPI」が費用と効果のバランスの良い製法でこのメーカーのプロテインがかなりお手頃価格です。
αリポ酸
αリポ酸の還元型にしたのがRリポ酸です。
酸化型のαリポ酸よりも強い抗酸化作用を発揮します。
また、糖質制限時のインスリン感受性低下を防ぐためリバウンド防止にも役立つと思われます。
4. まとめ
糖質制限のメリットは、主食を抜くだけという手軽に実施できるところです。
更に、体内の糖質が枯渇することで体脂肪が常に燃焼されやすい状態(ケトーシス)になります。
正しい糖質制限食は糖質を制限しますが、本来は避けるべきな脂質の多い食材を食べることができるストレスフリーなダイエット法なのです。
糖質制限のデメリットやリスクを考えると、完全糖質制限2~3ヶ月実施後は緩い糖質制限に移行するのが良いでしょう。
是非、ストイックにやり過ぎずにしっかりと結果の出る、正しい糖質制限を実施して楽してダイエットを成功させていきましょう。
次章では、糖質制限ダイエット中に摂れる食材、摂れない食材、糖質制限の効果を加速させる食事、実施者の食事例などを紹介しますので、よろしくお願いします!
また、糖質制限食を辞めて、普通食へ食事を戻す際はこちら「低糖質ダイエット後の糖質の戻し方について」をご覧ください。
以上になります。
当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!
カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。
(あまり営業をしてこない義田トレーナーが対応致します(笑))
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!
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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)
科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。
ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表
日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝
自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。
RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。
【ワイズパーソナルジム】
東京都杉並区大宮2-7-4
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