ワイズパーソナルジム代表/パーソナルトレーナーの義田です。

巷では糖質をカットする低糖質ダイエット(糖質制限、ケトジェニックも含む)が流行っていますよね。
この低糖質ダイエットはとても効率的なダイエット法です。
実際、RIZAP(ライザップ)では、低糖質食とウェイトトレーニングで数々のダイエットを成功させています。

しかし、成功事例が多い一方で、糖質を入れたらリバウンドしたなど失敗事例も多く見てきました。
糖質を入れるのが怖い、という相談も多く受けてきました。

生理学的な事実として、糖質を摂取しないことによる耐糖能(糖質に対する耐性)が低下します。
そして、耐糖能が低下すると、糖質をエネルギーとして利用されずに中性脂肪→体脂肪として蓄えられるリスクが上がります。

今回は、低糖質ダイエットのメリットとそのリバウンドのリスク、そして低糖質ダイエット後のリバウンドしにくい糖質の戻し方について紹介致します。
これで、あなたもビクビクせずに糖質を食べられるようになります!

低糖質ダイエット後でも、糖質を摂取するタイミングや量をコントロールできれば、糖質を摂取しても問題ありません。

低糖質ダイエットのメリットとリバウンド

まず、低糖質ダイエットのメリットとリバウンドのリスクについて説明します。

メリットについて

低糖質ダイエットのメリットは、体脂肪を燃焼し、動脈硬化等の疾病の予防に役立つことです。

糖質(お米、小麦粉、穀物、芋類、根菜類、砂糖、ブドウ糖など)を摂取する通常の食事の場合、糖質を活動エネルギーとして消費しています。
(糖質は三大栄養素の内、最もエネルギー効率が良いためだからです。)
このため、糖質を常に摂取している限り、有酸素運動を実施する以外で体脂肪がエネルギーとして活用されることがなく体脂肪が減りません。

ところが、糖質をカットして体内の糖質(厳密には肝臓の糖質:肝グリコーゲン)を枯渇させることで、体脂肪や食事から摂取した脂質を活動エネルギーとしてどんどん消費※していきます。
※糖質を抜いて約12時間程で肝グリコーゲンが空になります。
その状態は、迷走神経肝臓を経由して「脂肪分解シグナル」が伝達され、糖質から中性脂肪(体脂肪や脂質)へとエネルギー回路が切り替わることが筑波大学の研究にて解明されました。
参考文献:筑波大学肝臓内グリコーゲン量の検知システムを発見~脂肪燃焼との関係を解明、肥満治療へ一歩前進~
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20130813180047.html

また、細かいメカニズムは割愛しますが、低糖質食は動脈硬化や中性脂肪の値を改善する働きがあります。
メカニズムをきちんと理解して、適切に低糖質食を行えば、ダイエットだけでなく健康にもプラスになるとても良い食事方法になります。

正しい低糖質(糖質制限、ケトジェニック)ダイエットの方法に関しましては別記事「間違えて実施すると危険!糖質制限の効果と正しいやり方を紹介!」を参照してみてください。

正しい低糖質ダイエットはダイエット効果だけでなく健康増進効果も期待できます。

低糖質ダイエットによるリバウンドとそのメカニズムについて

低糖質ダイエットの最大のデメリットは、低糖質食から通常食に戻した際に起こるリバウンドです。
では何故、低糖質ダイエット後に通常食にする(糖質を摂取する)とリバウンドしやすいのでしょうか?
リバウンドするメカニズムの機序として、重要になるのが、インスリンと呼ばれるホルモンの働きです。

インスリンの働きについて

糖質を摂取すると、すい臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、糖質を筋肉や体脂肪に運んでくれます。
そして、インスリンにはもう一つ筋肉や体脂肪を合成する働きがあります。
つまり、インスリンが大量に分泌されると、体脂肪の合成が盛んになる※のです。
※インスリン分泌によってmTOR(エムトア)が活性化されます。
mTORは細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼの一種で、体組織(体脂肪、筋肉、内臓、骨など)の合成を促進する働きがあります。
参考文献:筋肥大におけるmTORシグナル伝達系の役割
The role of mTOR signaling in the regulation of protein synthesis and muscle mass during immobilization in mice. You JS, et. al., 2015

糖質制限によるインスリン感受性の低下が引き起こす耐糖能の低下

糖質制限によってインスリンを分泌する機会が少なくなります。
糖質制限の期間が長くなると、インスリンの感受性が低下(=インスリン抵抗性)してしまい、いざ糖質を摂取するとインスリンが大量に分泌されてしまい体脂肪が増えやすくなります。

このことを、糖質を摂取しないことによる耐糖能(糖質への耐性)の低下とも言います。
リバウンドしないためにも、糖質制限後はインスリンの感受性を戻し、耐糖能を回復させる必要があります。

リバウンドしない糖質の摂取方法について

インスリンの感受性を元に戻し、耐糖能を回復するには糖質を摂取することが解決方法になります。
特に、体脂肪が増えにくいタイミングで糖質を摂取することが大切になります。
糖質を摂取すべきタイミングとして、以下に優先順位順にその項目を紹介します。

1.トレーニング中の糖質摂取

トレーニング中の糖質摂取はエネルギーとして利用されるため太るリスクはありません。
スポーツドリンクや水に粉飴(麦芽糖)などを溶かして作りましょう。
作るのが難しい場合はスポーツドリンクでも構いません。

2.トレーニング後1時間以内の糖質摂取

トレーニング時に肝臓や筋肉のグリコーゲンが空になります。その状況で糖質を入れると優先的に筋肉に糖質が運ばれ、太るリスクはありません※。
※GLUT4(糖質輸送体)の活性化により、糖質→筋グリコーゲンへと変換されやすくなるためです。
参考文献:運動と骨格筋 GLUT4 川中健太郎
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/11/10/11_10_42/_pdf

普通に白米などを食べても問題ありません。
ただし、同時に脂質の多い食事(肉の脂身、オイル類、揚げ物、生クリームなど)をしてしまうと、糖質の摂取でグリセロールを生成→脂質によるオーバーカロリー分が中性脂肪へと変換→インスリン分泌によって体脂肪へと変換という負の連鎖反応注意しましょう。
要は糖質+脂質の組み合わせは避けるべきということです。

3.トレーニング1時間前の糖質摂取

トレーニングによって糖質を消費しますので太るリスクはほぼありません。
トレーニング前なので、バナナやおにぎりなどで軽めに入れるようにしましょう。

4.昼食での糖質摂取

食べ物を体脂肪に変えるBMAL1(brain and muscle Arnt-like protein 1:脂肪細胞を作る酵素を増やす役割がある時計遺伝子)の分泌が少ない時間帯であることと、日中の活動で消費されやすいので太るリスクはありません。
糖質の吸収スピードが遅い、玄米、雑穀米、サツマイモ、蕎麦などの低GI値(GI:Glycemic Indexの略で、その食べ物が体内で糖に変わり血糖値が上昇する速度の指標)の食事がおすすめです。

5.朝飯での糖質摂取

朝は体内の糖質が不足しているため、摂取しても肝臓や筋肉に蓄えられやすくなっています。
食べ物を体脂肪に変えるBMAL1の分泌が少ない時間帯であることと、日中の活動で消費されやすいので太るリスクはありません。
糖質の吸収スピードが遅い、玄米、雑穀米、サツマイモ、蕎麦などの低GI食がおすすめです。

各糖質摂取量は性別や体重にもよりますが、60g以内摂取しましょう。
お米なら茶碗1杯、おにぎり1個程度が目安になります。
リバウンドしない糖質の摂取方法の1.トレーニング中の糖質摂取~5.朝飯での糖質摂取までの糖質の摂取を順番に、体重や体脂肪率が増えないことを確認しながら1つずつ追加して実施していきましょう。

体重や体脂肪率が増える(糖質を入れて初めて1.0-1.5kgの増量は水分量であるため、それ以上の増量の場合になります)ようであれば、一旦次の項目を追加するのを止めて、しばらく様子をみて再度次の項目を追加するようにしましょう。
少しづつ糖質を戻すことでリバウンドのリスクを無くすことが出来ます。

タイミング以外で糖質を入れる際の注意点としては、糖質+脂質を避けることです。糖質を摂取する際はなるべく低脂質な食材を選択しましょう。

筆者おススメのサプリメント↓

・粉飴
トレーニング中の糖質補給におススメです。
麦芽糖は果糖を含まない(二糖類でブドウ糖-ブドウ糖)糖質です。
スポーツドリンクは果糖を含むため、血糖値上昇に関してはあまり望ましくないと考えています。

・ファイバー(食物繊維)
低GI食の摂取が難しい場合は、食物繊維が豊富な野菜から先に召し上がる「ベジタブルファースト」を実施しましょう。
野菜の摂取以外にも食前にサプリメントから食物繊維を摂ることも良い対策方法です。
分包タイプが持ち運びやすいですのでおススメです。

まとめ

以上になります。
低糖質ダイエットはリバウンドのリスクがありますが、メカニズムを理解して、適切な方法で糖質の摂取量を戻す事でリバウンドを防ぎ、通常の食事で生活を送ることができるのです。

より詳細を知りたい方、ジムに興味のある方はご連絡をお願い致します。

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

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