ワイズパーソナルジム代表/パーソナルトレーナーの義田です。
適切な栄養摂取が筋肉を効率良く成長させる!
「夏が近い!早く筋肉を大きくしてカッコよく見せたい!」
「もっと筋肉を身に付けて競技で強くなりたい!」
日々トレーニングに励むトレーニーやパワーを要求される競技者であればこのような願望があるはずです。
筋肉は、筋肉に適切なストレス(=負荷)を与えて、十分な栄養や休養を与えることで筋肉が大きく成長(筋肥大)していきます。
今回は筋肉が成長するメカニズム説明と、効率良く肥大化させていくために必要な栄養素の説明と実際の栄養摂取の方法を紹介をします。
筋肉が成長するメカニズム
筋肉が成長するメカニズムを簡単に説明します。
1.エクササイズ(運動)によるストレスにより筋繊維が損傷する。
↓
2.筋繊維の周囲に存在する「筋衛星細胞(筋サテライト細胞)」の活性化。
↓
3.筋衛星細胞が細胞分裂を開始、分裂して増加した細胞が筋繊維と融合する。
↓
4.そして筋繊維になり、筋肉が成長(筋肉量の増加)する。
参考文献:筋サテライト細胞の細胞生物学 小野悠介, 永富良一, Peter S. Zammit
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/59/1/59_1_25/_article/-char/ja/
このようにして筋肉は成長しますが、以下の要素を満たさないと十分な成長は望めません。
適切なエクササイズと十分な休息
筋肉が「この環境に適応せねば!」と思わせるくらいのストレスがないと筋肉は成長しません。
ストレスが少なければ適応反応は起きませんし、過ぎれば故障や怪我の原因になります。
また、寝ている間に筋肉が成長しますので、十分な睡眠時間と睡眠の質が必要になります。
睡眠時間と筋力には関係性があり、やはり睡眠不足だとトレーニングに悪影響を与えて、筋肉の成長にマイナスになります。
身体を鍛えているのであれば、睡眠時間は7〜8時間、最低6時間以上は欲しいところです。
特にトレーニングを実施した日とその翌日は十分な睡眠時間が必要です。
また、睡眠不足は昼寝によって改善されるとのことです。
昼寝はブラックコーヒーなどのカフェインを事前に摂取して、30分間以内で昼寝をとります。
昼寝は遅くとも15時までに済ませると夜の睡眠に影響を与えず、効果的な睡眠の改善ができます。
参考文献:短時間睡眠が運動パフォーマンスおよび 体温リズムに及ぼす影響 石田健斗*・塩田正俊
http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/26733/20170206160609/C010066000314.pdf
うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について 若島恵介1,辛島光彦2
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006489390
十分な栄養状態
筋肉の材料である「タンパク質」が不足すれば筋肉は成長しません。
また、タンパク質を筋肉に合成するのに必要な「酵素(タンパク質+ビタミン+ミネラル)」が不足していても筋肉の成長は望めません。
酵素と同等かそれ以上の働きをして、筋肉の滑走にも影響する「水」の摂取も大切です。
更に、脂質も筋肉を合成するテストステロンやIGF-1の材料になりますし、糖質も筋肉を合成するインスリンを分泌させるのに必要です。
適切な量の脂質と糖質も筋肉を成長させるために大切な栄養素となります。
今回は各栄養の摂取に関して詳しく説明していきます。
この記事の参考文献の記載がない文章に関しましては書籍に基づいて記述してあります。
参考書籍に関しましては記事最後に記載してあります。
筋肉が成長するために必要な栄養や成分
筋肉の材料になる「タンパク質」
筋肉や「酵素」の材料である「タンパク質」は最も優先的に摂取したい栄養素です。
「酵素」と呼ばれる体内で様々な働き(酵素は化学反応の触媒としての役割があり、筋合成や体脂肪燃焼だけでなく生命活動全般をサポートします)をする物質の主な材料となります。
摂取方法
タンパク質は「肉」「魚」「卵」「大豆」「乳製品」「プロテイン」などから摂取できます。
健康のためにも、これらタンパク質の食材をそれぞれバランスよく摂取していきましょう。
〔食材が偏ると、摂取する脂質の種類と量が偏るため、健康に悪影響が出ます。〕
1日の摂取目安量は、体重×2.0-3.0g※になります。
※文献によって数値は様々ですが、筋肉を肥大化させる場合はこれくらいは摂取していきましょう。
分量としては、大まかに
肉・魚100g=タンパク質量20g、卵1つ=6g、納豆1パック=8g、プロテイン1食分=20gと覚えておきましょう。
体重60kgの人の場合は120-180gくらいの量を摂取しましょう。
また、常に筋肉に材料を供給するためには、血中のアミノ酸濃度を保つことが大切です。1食20-50gぐらい摂取して複数回にわたってのタンパク質の摂取をおススメします。
タンパク質を活用するのに必要な「ビタミンとミネラル」
ビタミンとミネラルは「酵素」の材料となりますので、不足しないように摂取していきましょう。
筋肉を付ける、脂肪を燃焼させるのにも体内で生成される「酵素」は必要不可欠です。
摂取方法
ビタミン:
・淡色野菜(キャベツ、レタス、大根など)
・緑黄色野菜(ブロッコリー、ホウレンソウ、アスパラガスなど)
・果物(キウイフルーツ、アボカド、パイナップル、バナナなど)
・複合炭水化物(玄米、蕎麦、さつまいも、オートミールなど)
に多く含まれておりますので、各食材からバランス良く摂取していきます。
ミネラル:海藻類(わかめ、昆布など)やひじき、複合炭水化物などに多く含まれております。
これらの食材に多く含まれておりますが、正直食材だけで摂取するのは厳しいためマルチビタミンミネラルなどのサプリメントを利用している方も多いです。
身体の代謝を促す「水」
水は筋肉の合成以外にも、栄養素を運んだり代謝を促したり、筋肉の収縮などの生命活動に必要な物質です。
水分が不足するとトレーニングパフォーマンスが低下するのはこのためです。
摂取方法
塩素などが入っている水道水よりは、ミネラルウォーターや浄水した水がオススメです。
1日の目安摂取量は、
男性:2.0-3.0ℓ
女性:1.5-2.0ℓ 男女共に多くても最大摂取量は5ℓ以内にしましょう。
このくらいの水を摂取することで、身体の代謝が円滑に行われます。
筋肉の成長を促す「テストステロン」
テストテロンも筋肉の成長に必要なメジャーなホルモンです。
筋衛星細胞の活性化において重要な働きを持っています。
テストステロンを増やすために以下のことを意識していきましょう。
糖質の過剰摂取を避ける
トレーニング後など適切なタイミングでの高GI値の糖質(ブドウ糖や砂糖などの吸収の早い糖質)の摂取は筋肉の肥大にとても有効な手段です。
しかし、高GI食の過剰摂取はテストテロンレベルの低下を招きます。
トレーニング前中後以外は、低GI食(玄米、雑穀米、さつまいも、オートミール、そば、バナナなど)の摂取をおススメします。
体脂肪を一定以下に保つこと
体脂肪が多く付きすぎてしまうと女性ホルモンの分泌が盛んになりテストステロンレベルの低下を招きます。
体脂肪率は低すぎてもテストステロンレベルを下げますので、男性であれば10-15%程度、女性ならば18-23%程度に保ちましょう。
適切な量の脂質を摂取する
脂質はホルモンの材料となり、テストステロンもホルモンですので適正量の脂質摂取が必要になります。
一日の脂質の摂取目安量は体重×1gぐらいになります。
低脂質ダイエット時の場合は体重×0.7~0.8g程度に調整すると良いでしょう。
(後に記述するIGF-1の生物学的能力の向上にも役立ちます。)
脂質の種類は多岐にわたります。
まずは、ジャンクフードや揚げ物などの脂質にはトランス脂肪酸、過酸化脂質が多く含まれていますので極力避けます。
そして、以下の1-3群の脂質をバランス良く摂取していきましょう。
(低脂質ダイエット時は1群の飽和脂肪酸はなるべく控えましょう)
1群.肉や卵、乳製品
2群.オリーブオイル、アボカド、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
3群.魚の油、亜麻仁油、クルミ、えごま油
最強の筋肉合成ホルモン「インスリン」
摂取した糖質を筋肉や体脂肪に運ぶホルモンとして良く知られていますが、mTOR※を活性化し筋肉の合成を助ける強力なホルモンになります。
必要なタイミングでインスリンを分泌させてあげれば、とても効率良く筋肉を成長させることができます。
※※mTOR(エムトア):タンパク質キナーゼの一種で、体組織の合成を促進させる働きがあります。
参考文献:参考文献:筋肥大におけるmTORシグナル伝達系の役割
The role of mTOR signaling in the regulation of protein synthesis and muscle mass during immobilization in mice. You JS, et. al., 2015
トレーニング後の糖質の摂取
30~80 gの吸収の早い糖質(果糖を含まない物が望ましい)を、プロテインと一緒にトレーニングを完了してから30~60分以内に摂取することで、筋肉の回復のタイミングでインスリンを分泌できるので筋肉の成長を促進します。
この際に吸収を良くするためなるべく脂質の少ない物を選ぶと良いでしょう。
(個人的には粉飴か和菓子がおススメです。)
アルファリポ酸
アルファリポ酸はインスリン様物質とも呼ばれます。
この物質をサプリメントから摂取することで、インスリンの感受性を高める(インスリンの正常な働きを保つ)ことが出来るといわれております。
また、強い抗酸化作用もありますので激しいトレーニングを実施する方にも摂取をおススメします。
筋肉の成長を促す「ロイシン」
ロイシンはインスリンと同様にmTORを活性化させます。
タンパク質合成を促進させ、筋肥大を促すと言われています。
一般的にはBCAA(必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンの混合物)として販売しているメーカーが多いですので、プロテインなどにBCAAを加えるのがおススメです。
筋肉の成長を促す「IGF-1」
インスリンの様に筋肉の合成を促す物質になります。
適切な量の脂質を摂取する
テストステロンの欄を参考にして下さい。
クレアチンの摂取
トレーニング前後にクレアチンを摂取するとIGF-1を増加させます。
また、クレアチンによるパフォーマンス向上によってトレーニングの質が改善される効果もあります。
(これはクレアチンによる筋肉内の水分滞留によって引き起こされると言われております。)
参考文献:クレアチン・サプリメントの効果に関する文献的考察
A consideration of creatine supplementation by previous studies
1K03A108-3 嶋津 正樹
ホエイプロテインの摂取
ホエイプロテインもIGF-1を増加させます。
トレーニング30~60分前、トレーニング後30~60分以内にホエイプロテインを摂取することをおススメします。
トレーニング後のプロテインの摂取は有名ですが、トレーニング前にプロテインを摂取する目的は血中アミノ酸濃度の高く保ちトレーニング中の筋分解を防ぐためでもあります。
肉や乳製品(動物性たんぱく質)を摂取する
動物性たんぱく質を摂取するとIGF-1を多く分泌します。
ですので、食材からバランス良くたんぱく質を摂取しますが、筋肉を大きくするためには肉や乳製品(カゼインプロテインも含む)※の摂取もおススメします。
※乳製品は健康に対し賛否両論ありますが、この場での議論は避けさせて頂きます。
私自身は乳製品に限らず多くの食材やサプリメントからバランス良く栄養を摂取しております。
まとめ
サプリメントの紹介も多くなってしまいましたが、サプリメントは効率の良い栄養摂取の手段になります。
おススメの摂取方法(私自身の方法になります)としては、
朝食
朝食に追加して、マルチビタミンミネラル、魚油(DHA/EPA)、αリポ酸、亜麻仁油5㏄を摂取します。
トレーニング前30分
バナナやおにぎりなどで糖質を摂取し、ドリンクとしてホエイプロテイン20g、(ソイプロテイン10g)、BCAA5g、クレアチン5gを摂取します。
ソイプロテインはホエイプロテインに不足しているグルタミン、アルギニンを補完する目的で摂取しますが、必須ではないためホエイプロテイン30gでも構いません。
トレーニング中
ワークアウトドリンクとして水700~1000㏄、粉飴(マルトデキストリン)70~100g、BCAA5g、クレアチン2~5g(メンテナンス期とローディング期)、アスコリビン酸(ビタミンC)2~3gを混ぜた物を飲みながらトレーニングします。
トレーニング後30-60分以内
ホエイプロテイン30g、(ソイプロテイン10g)、粉飴(マルトデキストリン)70g、BCAA2~3g、クレアチン2~5g、グルタミン20g、アスコリビン酸2~3gを摂取します。
寝る前
朝食と同様にサプリメントや油を摂取し、ホエイプロテイン20g、(ソイプロテイン20g)、BCAA2~3g、グルタミン5g、アスコリビン酸2~3gを摂取します。
筆者お気に入りのプロテインやサプリメント
私のお気に入りのサプリメントをいくつか紹介します。
ホエイプロテイン
プロテインは「WPC」→「WPI」→「WPH」とだんだん粒子が細かくなっていき、細かいほど体内での吸収率が高くなります。
「WPI」が費用と効果のバランスの良い製法でこのメーカーのプロテインがかなりお手頃価格です。
ソイ(大豆)プロテイン
混ぜることで、ホエイプロテインにやや不足している非必須アミノ酸のグルタミンやアルギニンを補ったり、吸収時間の調整にも使えます。
このメーカーのプロテインがお手頃価格です。
マルチビタミンミネラル
メガワンのマルチビタミンミネラルは海外メーカーですが、ビタミンミネラルの含有量が多く安くメガビタミンの実施におススメです。
BCAA
海外輸入品ですが、一般的に高価格なBCAAが大容量で安く手に入ります。
私自身、毎日飲んでいますが3ヶ月以上なくなりません(笑)
クレアチン
クレアピュアというクレアチンの一定以上の品質を保ちながらお手軽な価格で手に入ります。
グルタミン
非必須アミノ酸ですが免疫力低下を防ぐために飲んでいます。
アスコルビン酸(ビタミンC)
ビタミンCの原紛をそのまま摂取することで、抗酸化物質であるビタミンCを最安値で摂取できます。
αリポ酸
αリポ酸の還元型にしたのがRリポ酸です。
酸化型のαリポ酸よりも強い抗酸化作用を発揮します。
また、糖質制限時のインスリン感受性低下を防ぐためリバウンド防止にも役立つと思われます。
魚油(DHA/EPA)
身体に必要な脂質であり、脂肪を代謝しやすくなります。
青魚には水銀などの産業汚染物が食物連鎖により蓄積しやすいですが、南極で獲れた食物連鎖の底辺であるオキアミを使用しているため汚染物の心配はないです。
さらに、青魚よりも体内の吸収率が高いのが特徴です!
亜麻仁油
低価格でオメガ3系脂質を摂取するのに向いています。
低温圧搾ですので脂質が酸化している心配もありません。
熱、空気、光で酸化しやすい脂質ですので、摂取するときは生で、保管はしっかりとふたを閉めて暗所に保管しましょう!
マルトデキストリン(粉飴)
安く糖質を摂取するのに向いています。
サプリメントは一般的には薬と違い副作用などはありませんが、体質に合う合わない(食物アレルギーやタンパク質の消化能力)などありますので、サプリメントの使用は自己責任でお願い致します。
・参考書籍↓
以上になります。
当ジムではダイエットだけでなく、機能解剖学に基づいたトレーニングとこのような栄養学に基づいた食事指導を行いますので筋肉も効率良く付けることができます。
カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にもトレーニングや食事に関する疑問質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!
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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)
科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。
ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表
日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝
自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。
RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。
【ワイズパーソナルジム】
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