ワイズパーソナルジム代表/パーソナルトレーナーの義田です。

競技の練習をしているのに中々成果がでない。
競技中の動作にキレがない・・・
と悩まれている方はいませんか?

競技における瞬発力の重要性について

もしかしたら、その悩みは筋出力を鍛えて瞬発力を身につけることで解決するかもしれません。
もちろん、その競技で必要なテクニックや動体視力などを鍛えることも大切ですが、
競技(スポーツや格闘技など)では瞬発的な動きを要求される機会が多いです

例えば、
・ボールに反応して瞬時に身体を動かす。
・素早いスイングでボールを遠くへ飛ばす、速く投げる。
・パンチを素早く打って相手に当てる。

など様々な例がありますが、これらは競技での基本動作になります。

ですので、筋出力を向上させて瞬発力を身につけることが競技力向上に大いに役立ちます。
筋出力向上には、筋肥大系トレーニング、神経系トレーニング、伸張反射を利用したトレーニングなどが有効です。
今回は、筋出力を決める3つの要素→各要素に合ったトレーニング方法を紹介致します。
是非、筋出力向上トレーニングを実施して、瞬発力を身に付けて競技で活躍しましょう!

競技力向上に必要な筋出力の鍛え方について

筋出力とは「筋肉が発揮できる力」の事です。
筋肉(骨格筋)は収縮運動によってを動きを生み出す運動器官です。
単純なことですが動作に関わる筋肉の量を増やすことで筋出力は高くなります。
競技中は瞬間的な動作を要求されますので、瞬発力を向上させるためには瞬間的に多くの筋肉を動かす能力を鍛えることが大切になります。

筋出力を決める3つの要素

筋出力は以下の3つの要素で決まります。

1.筋肉の断面積

筋肉が大きいほど筋出力は高まります。

2.神経が支配する筋肉の量〔モーターユニット〕

神経で支配されていて動かせる筋肉の量が多いほど筋出力は高まります。

3.筋肉の瞬発性

筋肉の特性を上手に活用し、筋肉を瞬発的に動かせれば筋出力は高まります。

稀に、筋肉が大きい人が小さい人に力負けする場面があります。
それは、身体を使うテクニックが上手なことや、2と3の要素が優れている場合によって起こりうる現象です。
筋肉を大きくする以外にも2と3の要素をバランス良く鍛えて効率良く筋出力を向上させていきましょう!

筋出力を鍛えるトレーニング方法について

では、それぞれの要素を高めるトレーニング方法について説明致します。

1.筋肉の断面積

大きい筋肉を使うことを身につける

大きい筋肉には大きいパワーが秘められています。
競技の動作を分析して、その動作の中でも大きい筋肉から優先的に動かしていくよう練習します。
例:柔道で相手を自分に引き付ける力を強くしたい。
肩をすくめずに下げた状態(下制)で、肩甲骨同士を離した状態(外転)から肩甲骨を寄せる(内転)動きを利用して引きます。
そうすることで、腕の筋肉(上腕二頭筋、前腕など)だけでなく、大きい背中の筋肉(僧帽筋中部、下部、菱形筋など)を使うことができるので大きいパワーを生み出すことができます。
↓より詳細な内容を記載しております。
トレーニング効果・競技力の向上につながる肩甲骨の使い方

筋肥大系トレーニング

筋肉が大きくなればパワーも大きくなります。
バーベルやダンベル、マシンを利用したウェイトトレーニングが効果的です。
筋肥大系トレーニングメニューの特徴は以下のようになります(注1)。
・一回挙上できる重さ(以下、MAX重量と略します)の70-80%の重量
8-12RM(RMとは限界回数のことを示します)を3セット程度(セット数は疲労や上達具合から調整します)
・セット間の休憩(インターバル)は120-300秒ほど
脚など大きな筋肉は4-5分のインターバルを、それ以外は2-3分ほどインターバルを取りましょう。
インターバルがやや長めなのは筋肉内の乳酸をしっかりと取った状態で、高いパフォーマンスで筋肉を追い込めるためです。
参考文献:COMPARISON OF 3 DIFFERENT REST INTERVALS ON SUSTAINABILITY OF SQUAT REPETITIONS WITH HEAVY VS.LIGHT LOADS
Brazilian Journal of Biomotricity, vol. 2, núm. 4, diciembre, 2008, pp. 220-229

例:ベンチプレスMAX重量100kgの場合
・使用重量70-80kg
・8-12RM
・インターバル120-180秒挟んで3セット実施します。

2.神経が支配する筋肉の量〔モーターユニット〕

神経系トレーニング

神経が支配している筋肉の量をモーターユニットと呼びます。
このモーターユニットを強化することで筋出力を高めることができます。
神経系トレーニングのメニューの特徴は以下のようになります(注1)。
・MAX重量の85-100%の重量
1-5RMを3-5セット程度(5セットなどの高セットがおススメです)
・インターバルは2-5分ほど(5分間がおススメです)
例:ベンチプレスMAX重量100kgの場合
・使用重量85-100kg
・1-5RM
・インターバル2-5分挟んで3-5セット実施します。
神経の発達を促すために、バーを上げるスピードを最速で爆発的に挙上するように心がけて下さい。

3.筋肉の瞬発性

伸張性反射を利用するトレーニング

筋肉は急激に伸ばされることで、「このままでは筋肉が切れてしまう、守らねば!」と反射的に筋肉を収縮します。
これを伸張性反射といい、脳が関与しないとても瞬発的な反応(脊髄反射)になります。
例えば、膝下をハンマーで叩いたときに勝手に足が動く反応などがあります。
参考文献:長潜時伸張反射を用いた運動評価の可能性(<特集>運動の制御と評価における反射活動)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110001096624

例:ジャンプ力を高めたい。
ジャンプ動作をする際に、お尻を後ろに突き出して(骨盤を前傾して)股関節から折り畳みます。
その状態からしゃがんでジャンプすることでお尻の筋肉(大殿筋)の伸張性反射を利用でき、
筋肉の特性を利用した瞬発的な動きになり、高くジャンプすることが出来ます。

伸張性反射を利用したトレーニング方法を当ジムでも取り入れております。
興味のある方は是非体験して頂くと瞬発的な動作を体感できると思います。

筋出力向上のトレーニングプログラムについて

上記の内容の全て一日で実施することはハードルが高いですし、1つ1つの要素のトレーニングが中途半端になってしまいます。
ですので、2-3ヶ月ごとに期分け(ピリオドダイゼーション)を設けていきましょう。

試合の2-3ヶ月前(オンシーズン)

競技の練習と平行して、神経系トレーニングと伸張性反射を利用するトレーニングを実施して、筋出力を向上させて瞬発力を身に付けていきます。

また、自体重にて腕立て伏せジャンプ、ジャンプ、メディスンボールを後ろに/正面に/捻って反動を使って遠くに投げるなどのプライオメトリックトレーニングも瞬発力や連動性強化におススメです。

試合のない期間(オフシーズン)

筋肥大系トレーニングの期間中は筋出力が低下して瞬発力が落ちる可能性※がありますので、オフシーズンに筋肥大系トレーニングをメイン実施しましょう。
※2つの理由があります。1つは、RM数が多いため、実際の競技よりも1セット当たりのエクササイズ時間(TUT)が長いこと。
2つは、筋肥大に有効なのは短縮性収縮を利用したトレーニングですが、デメリットとして伸張性反射を利用出来にくくなる可能性があります。

まとめ

筋出力を向上させることが瞬発力を身に付けることにつながり、瞬発的な動きは競技には必要不可欠です。
期間を分けて、筋肥大系トレーニング、神経系トレーニング、伸張反射を利用したトレーニング、プライオメトリックトレーニングなどを実施して、
効率よく筋出力を高めていきましょう!

私が尊敬する人物で大山倍達(極真会館の創始者)という方がおります。
彼は「力の中に技あり!」とよくおっしゃっていました。
私自身が、柔道→フルコンタクト空手→パワーリフティング と競技をする中で、力の大切さを痛感しております。
力は競技に直結する能力です。
効率良く力(筋出力と瞬発力)を鍛えて、どんどん競技で活躍して競技を楽しんでいきましょう!

いかがでしたか?
この他にもトレーニングや食事に関する疑問質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

注1:NESTAパーソナルフィットネストレーナーの教材から引用。

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
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