ワイズパーソナルジム代表の義田大峰です。

夏までに良い身体に仕上げるために、春先からダイエットを再開していくのが良い計画だと思います。

本格的にボディメイクしている方は、秋~冬は増量期(筋肥大期)にして春~夏は減量期にする方が多いでしょう。

4か月間の増量期によって明らかに脚、背中の筋肉が付いてきました!

いざダイエットを実施するにあたり、どのダイエット法で落とすのか悩むところです。

ということで、今回の記事は「糖質制限と脂質制限ダイエット」の記事を投稿します。

記事の構成としては、この記事にて「糖質制限と脂質制限の違い」を、次の投稿では脂質制限ダイエットのやり方「脂質制限(カロリー制限)ダイエットの実施方法について」をお伝えします。


目次
1.知っておくべきダイエットの大前提について
2.糖質制限 VS 脂質制限(カロリー制限)
2-1.ダイエットをする前に三大栄養素を理解しよう!
2-2.脂質制限ダイエットのメカニズム
2-3.糖質制限ダイエットのメカニズム
3.糖質制限と脂質制限のメリットとデメリットについて
3-1.糖質の働きについて
3-2.脂質の働きについて
3-3.糖質制限のデメリット
3-4.脂質制限のデメリット
4.まとめ

1.知っておくべきダイエットの大前提について

ダイエットの大前提として食事から摂取する摂取カロリーよりも、日常生活や運動などで消費カロリーが上回っている摂取<消費)必要があります。
その状況下では、身体の組織(筋肉や体脂肪)は分解され、燃焼されて体重が落ちていきます。
カロリーの収支がマイナスになるためには、食事管理によって摂取するカロリーは抑えつつ、トレーニングと適切な栄養摂取によって消費するカロリーを増やすことが大切になります。

ダイエットの大前提として摂取<消費である必要があります。摂取カロリーは食事から、消費カロリーは基礎代謝+生活や運動での消費+食事誘導性熱生産で決まります。

2.糖質制限 VS 脂質制限(カロリー制限)

今回の私のダイエット法は糖質を制限せずにカロリーを減らしていく、いわゆる脂質制限ダイエットを実施していきます。
理由としてはトレーニングの頻度が多いことと、トレーニング中のパフォーマンスを低下させないために糖質は制限したくないからです。

後記しますが糖質はトレーニング時のエネルギーになるだけではなく、日常生活での代謝を向上させる働きもありますので、上手な糖質との付き合い方が大切です。

あなたがこれからダイエットを実施する際「糖質制限か脂質制限のどちらの方法を選択すべきか?」の判断基準が必要になるかと思います。

2-1.ダイエットをする前に三大栄養素を理解しよう!

どちらのダイエットを選択するか、という説明をする前にまずは三大栄養素について理解することが必要です。

カロリーを含む栄養素を三大栄養素と言います。
三大栄養素は、タンパク質(肉、魚、卵、大豆、乳製品などに多く含まれます)

脂質(肉や魚の脂、オリーブオイルやココナッツオイルなどの油、ナッツ類、アボカド、チーズ、バターなどに多く含まれます)

炭水化物(米類、麺類、パン類などの主食全般に多く含まれます)

同じ白米でも冷やすことで、レジスタンススターチ(難消化デキストリン=食物繊維)に変性され消化吸収を緩やかになります。結果として、血糖値急上昇を防ぐので太りにくい糖質に変わります。

ちなみに炭水化物は糖質に食物繊維が合わさった状態のことを指しますので、炭水化物=糖質と解釈しても構いません。

そして、それぞれのカロリーとDIT(食事誘導性熱生産※)は以下の通りになります。
※消化される際に熱として消費されるエネルギーのこと。

項目 1g当たりのエネルギー(Kcal) DIT(%)
タンパク質 30
脂質
糖質

表を見て分かる通り、脂質は1g当たり9Kcalと一番高カロリーな栄養素と言えます。
また、DITはタンパク質が一番高く、脂質と糖質はDITがほぼ同じなのでタンパク質は太りにくい栄養素と言えます。

2-2.脂質制限ダイエットのメカニズム

まずはメカニズムが単純な脂質制限(カロリー制限)ダイエットについて説明していきます。

先ほど「ダイエットは、摂取<消費にする必要がある」と説明しましたが、1g=9kcalと高カロリーな脂質を制限することでカロリーを削減しやすくなるというメリットがあります。

そうなると、摂取するカロリーの内訳としてタンパク質の占める割合を多くして、カロリーの高い脂質は極力削減して、糖質は適度に取ろうと考えるでしょう。

一番カロリーの多い栄養素の脂質を制限しよう!」というのが脂質制限の根本的な考え方です。

2-3.糖質制限ダイエットのメカニズム

糖質を制限する事で体内の糖質(厳密には肝グリコーゲン)を枯渇させ、体脂肪を分解燃焼させることが出来る。

対して糖質制限のメカニズムは、最優先してエネルギーになりやすい糖質を制限することで、脂質や体脂肪がケトン体としてエネルギー利用されるいうことに着目したダイエット法です。

糖質制限の具体的な機序や実践方法は「間違えて実施すると危険?糖質制限の効果と正しいやり方を紹介!」を参照してみて下さい!

糖質を制限する際は脂質を積極的に摂取する事で、ケトン体を効率良く生成してケトン体の利用を潤滑に行うことが出来ます。 脂質を制限すると、タンパク質の糖原生アミノ酸を代謝しピルビン酸が生成されてケトンの体利用がされにくくなります。

 

・各ダイエット法とPFCバランスのイメージ図

糖質制限ダイエット 脂質制限ダイエット
タンパク質 ◎(もしくは〇)
脂質
糖質 ×

◎:必要量しっかり摂る 〇:量は管理するが摂取できる △:必要最低量を摂る ×:制限する

3.糖質制限と脂質制限のメリットとデメリットについて

それぞれのメリットとデメリットを説明する前に、糖質と脂質のそれぞれの働きを詳しく説明します。

3-1.糖質の働きについて

糖質は優先的にエネルギーとなりやすい栄養素と伝えてきましたが、実は糖質には優れた働きがいくつかあります。

・筋分解を防ぐ
優先的にエネルギーになりやすい糖質を摂取することで、エネルギー不足によるタンパク質から糖質を抽出する糖新生を防止する効果を期待出来ます。
また、糖新生が起きにくくなるのでその分のタンパク質を節約できる効果も期待できます。
これをプロテイン・スペアリング(タンパク質節約効果)と呼びます。

・トレーニングパフォーマンスを向上させる
筋トレはエネルギー回路としては解糖系になり、糖質を消費する運動となります。
運動に必要な糖質を十分に摂取した状態は十分なパフォーマンスを発揮されやすいと言え、トレーニングでしっかりと筋肉を追い込むことが出来ます。

・筋肥大を促す
糖質を摂取すると、血中の糖を肝臓、筋肉、体脂肪へと運び血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が分泌されます。
インスリンは「肥満ホルモン」と呼ばれており、身体の細胞の増殖を促すホルモンになります※1。
普段何も運動していないタイミングでの分泌であれば体脂肪が増えやすいですが、トレーニング後であれば筋肥大が期待できます。
※1インスリンによるmTOR (mammalian target of rapamycin)経路の活性化により、細胞成長・増殖を促す。
参考文献:栄養センシングと細胞機能の制御
肥満・メタボリックシンドローム・糖尿病とのかかわり
北田宗弘,古家大祐
https://katosei.jsbba.or.jp/download_pdf.php?aid=65

・甲状腺機能を正常に保つ
完全な糖質カットを長期的に実施することで、甲状腺ホルモンT4が末梢で不活性型のreverseT3に変わってしまうために、 末梢レベルで甲状腺機能低下(Cellular Hypothyroidism)が引き起こされるからだと考えられます。

リバースT3は消耗性疾患、飢餓、冬眠前などの栄養不足の時に体の新陳代謝を下げてエネルギーロスの少ない冬眠モードに変えようとするホルモンです。
活性型甲状腺ホルモンであるT3の機能を阻害することで甲状腺ホルモンの作用を抑えます※2。

そのため、適度な糖質摂取は甲状腺機能を正常に保ち代謝低下を防ぎます
※2引用先 Thyronamines—Past, Present, and Future

・FOXO1の活性化を防ぐ
FOXO1は長期的な絶食や糖質制限にて活性化し,4EBP(タンパク質翻訳抑制),atrogin1(ユビキチンリガーゼ),Bnip3(オートファジー),Gadd45(細胞増殖抑制)といった標的遺伝子を活性化し,骨格筋萎縮が生じる※3.
※3参考:骨格筋機能と FOXO タンパク質

・耐糖能低下(インスリン抵抗性)を防ぐ
糖質を長期的に摂取しない状態は、糖質の処理能力である耐糖能が低下し、この状態では比較的少量の糖質であっても血糖値が急上昇し、インスリン分泌量も増えやすい状態です。
この状態で、糖質摂取を再開したらリバウンドするリスクが高くなります。

これらの働きを考慮すると、糖質という栄養素の大量摂取はダイエットに不向きだが、タイミングや量、種類を管理さえすれば筋肥大に有用な働きがあると言えます。

糖質を極限に制限した糖質制限はダイエットに有効であるため、巷で流行している食事管理法になりますが、長期的な完全糖質制限は代謝低下や耐糖能低下を招きダイエットに支障をきたすため、短期間に実施することをお勧めします。

3-2.脂質の働きについて

脂質の主な働きは、

・エネルギーとして利用される
タンパク質もエネルギー利用される栄養素ですが、糖質制限時では脂質をしっかりと摂取してタンパク質ではなく脂質をメインのエネルギーとして利用されるようにすることが成功の秘訣です。

・細胞膜の材料になる
脂質は細胞の外壁部分である細胞膜の材料になります。
脂質が不足すると怪我が治りにくくなったり、毛細血管などの血管壁が脆くなり皮下出血しやすくなったりします。
極度な脂質制限は健康に悪影響を与えます。

・ホルモンの材料になる
男性ホルモンである「テストステロン」は体脂肪を減少させ、筋肉の肥大を促すようにコントロールするホルモンになります。
このホルモンの材料も脂質を元に作られます。
脂質制限で制限されやすい肉の脂身、卵、乳製品などに含まれている飽和脂肪酸はテストステロンになりやすい材料と言えます。
一般的に健康的な脂質と言われる魚油、亜麻仁油、オリーブオイルの不飽和脂肪酸の摂取も大切ですが、適量の飽和脂肪酸は摂取したいところです。

3-3.糖質制限のデメリット

糖質を制限することによるデメリットは以下の4つが考えられます。
トレーニングパフォーマンスの低下
筋分解の促進
代謝の低下
筋肥大しにくい

糖質制限は短期間ダイエットに向いており、
トレーニング頻度が週2回以下と低頻度な人にも向いていると言えます。

3-4.脂質制限のデメリット

脂質を制限することによるデメリットは以下の2つが考えられます。
健康に対するリスク
テストステロン値の低下によって筋肥大しにくい

ただし、極端に脂質量を制限しない限りは上記のようなデメリットは発生しにくいと考えます。

良質な脂質である魚油(魚介類に含む)、亜麻仁油、オリーブオイルの不飽和脂肪酸の摂取と、適量の不飽和脂肪酸(肉、卵、乳製品に含む)を摂取できれば特にデメリットはないでしょう。
トレーニングの実施によって糖質摂取のダイエットにおけるリスクが低下するため、
トレーニングや運動頻度が週4回以上と高頻度な人におススメです。

4.まとめ

以上のことを考慮すると、
糖質制限ダイエットは日常での体脂肪燃焼効果を期待できるため、運動習慣の少ない方(週2日以内)が取り入れることをおススメします。

脂質制限ダイエットは日常的に運動する習慣のある方(週4以上)、もしくはトレーニングパフォーマンス気にされるアスリート向けのダイエット法としておススメします。

そして、糖質制限は長期間実施しないこと
(必ず代謝を低下させるので代謝回復の為に短期的な糖質制限ダイエット後は糖質量を増やす期間を設けることが大切

以上のことを意識して賢くダイエット法を選択し実践していきましょう!

次回は、脂質制限(カロリー制限)ダイエットの実施方法についてをお伝えしていきます。
引き続き宜しくお願い致します!

当ジムでは機能解剖学に基づいたトレーニングと栄養学に基づいた食事指導、目標達成のためのメンタルコントロールをトレーナーとマンツーマンで実施して指導致しますので、挫折なくしっかりと結果を出せていきます!
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カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にも、トレーニングや食事に関する疑問や質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
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