ワイズパーソナルジム代表の義田大峰です。

痛風は「美味しい物を沢山食べる=贅沢病」と思われがちですが、瞬発力を必要とするアスリートや競技者も他人事ではなくなってきています

現に私の周りの競技者にも痛風発作を経験されている方が多くいますし、「運動性高尿酸血症」という高強度なトレーニングによって痛風の原因となる「尿酸」値が上昇するというデーターもあります(注1)。
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(画像データーはhttp://heartfullife.org/knot

だからと言って筋トレはしない方が良い!ということにはなりませんし、筋トレを習慣としている私は痛風にはならないように対策を講じています
筋トレは、普段の生活では得られない負荷を与えることで、短期間で運動不足による弊害を解消する最良な手段で欠かせない習慣です。

今回は、痛風のメカニズム→筋トレと痛風の関係について→痛風の改善手段
という流れで説明していきます。
是非参考にして、痛風持ちの方は医師と相談した上で実施して頂き、少しでも安心してトレーニングを実施出来ればと思います。


目次
痛風のメカニズムについて
尿酸値を上昇させる原因について
1.プリン体のとり過ぎ
2.筋トレなどの激しい無酸素運動
3.果糖のとり過ぎ
4.尿酸の排出量減少
筋トレと痛風の関係について
1.筋トレと尿酸の生成について
2.筋トレが尿酸の排出を抑制する
痛風の改善手段や筋トレ時の留意点
普段から改善すること
筋トレ時に改善すること
まとめ


痛風のメカニズムについて

痛風発作が起きると「風が吹いても痛い」くらいの激痛に襲われます。
また、痛風と言えば「プリン体」や「尿酸値」などの言葉が連想されます。
まずは、痛風発作のメカニズムを簡単に説明します。

1.尿酸という物質が結晶化して関節(特に足の親指が多い)に蓄積する :血中の尿酸値が高い尿酸値が7.0mg/dLを超える)か、血液Ph値が低い(酸性に傾く)と結晶化しやすい

2.関節に蓄積した尿酸結晶が一定の量を超えると剥がれる :きっかけ(引き金)としては、アルコール摂取、激しい運動、食べ過ぎ、脱水、尿酸値降下薬による尿酸値の急激な低下、体温の低下後などがあります

3.剥がれた尿酸結晶を白血球が異物として認識して攻撃し、激しい炎症を起こす=痛風発作

尿酸値を上昇させる原因について

痛風発作と尿酸は密接に関係しています。
尿酸値の上昇の要因として以下の4点があげられます。
結論から言うと、プリン体などの過剰摂取よりも尿酸排出能力低下の方が影響が強い(注2)と言えます。

1.プリン体のとり過ぎ

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「プリン体(核酸)」を摂取すると体内で分解されて「尿酸」を生み出します
細胞内の遺伝子をつかさどるDNAの半分はプリン体(プリン基)で出来てます。
また、プリン体はエネルギー源(ATP)にもなるほか、イノシン酸といううまみ物質の構成成分にもなります。
要は細胞1つ1つにプリン体は含まれていますので、細胞が多い食材には多く含まれています
例えば、鶏卵は1つの細胞なのでプリン体は0-1mgとかなり低く、細かい卵の集合体であるイクラやウニなどは細胞が多くなるのでプリン体も多くなります
また、肉魚も多く干物(煮干しなど)に至っては乾燥により重量単位中の細胞濃度が高まるためかなり多くなります

プリン体の量 主な食品 100gあたり
0〜25mg(かなり少ないおススメ食材):ごはん、パン、うどん、そば、とうもろこし、いも、牛乳、チーズ、鶏卵、ソーセージ、かまぼこ、キャベツ、ニンジン、トマト、果汁、ジャム、バター、のり、わかめ、豆腐
26〜50mg:うなぎ、マグロ缶詰、牛ロース、牛ヒレ、牛モモ、くじら肉、ハム、ほうれんそう、あずき
51〜75mg:まぐろ、ひらめ、にしん、ぶり、さけ、たこ、たらこ、豚ヒレ、豚モモ、鶏ささ身、納豆
76〜100mg:かつお、にじます、くるまえび、豚腎臓、牛肝臓、牛心臓、大豆
101〜125mg(かなり多いので要注意):大正えび、豚レバー、牛レバー、かつお節、干ししいたけ

2.筋トレなどの激しい無酸素運動

これは「筋トレと痛風の関係について」で後記しますのでそちらを参考にして下さい。

3.果糖のとり過ぎ

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果糖や砂糖は、尿酸値の上昇に関係し痛風のリスクが上がります
果糖は独自のエネルギー回路を介してほとんどが肝臓に取り込まれますが、この時、体のエネルギー物質であるATPを消費します。
このATPを消費する時に尿酸が出来ることで、結果的に尿酸値が上がります。
砂糖はブドウ糖+果糖で構成されているので同じ結果(注3)になります。
果糖は、果物に含まれていますが、それ以上にジュースやお菓子などの方が果糖の割合が多いです。

4.尿酸の排出量減少

・メタボリックシンドローム(インスリン抵抗性)
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糖質過剰摂取によってインスリン抵抗性(インスリンか正常に働かなくなる)が生じ、インスリンが大量に分泌され高インスリン血症になり、尿酸排出能力が低下します。
糖質の過剰摂取は肥満を招き、肥満と痛風発作の相関関係もあります
・飲酒や脱水
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血中の水分が減ることと、円滑に尿酸が尿から排出されなくなり尿酸値が高まります。

筋トレと痛風の関係について

効率的に瞬発力を身につけて競技力を向上させよう!
筋トレと痛風の関係について説明します。
筋トレを実施することで痛風の原因である尿酸値を上昇させます
尿酸値の上昇は、先ほど説明しました通り 1.尿酸を生成する 2.尿酸の排出を抑制する ことによって起こります
筋トレはこの2つの要因が当てはまります

1.筋トレと尿酸の生成について

・高タンパクな食事によるプリン体の過剰摂取
筋トレ効果を高めるためには高タンパク質な食事をすることが大切です。
しかし、タンパク質の多い肉や魚、大豆などはプリン体が多いため過剰摂取傾向にあります。
・ATPの消費による尿酸生成
尿酸の材料になるプリン体は、食品から摂取するだけではなく、筋肉を動かすATPというエネルギー源が使用されることでも生成されます。
・筋肉の破壊による尿酸生成
また、筋肉が破壊されることも尿酸を生成します。

ですので、筋トレのような無酸素運動ではATPを大量消費し、かつ筋肉組織が破壊されるので多量の尿酸が産生されます

2.筋トレが尿酸の排出を抑制する

・乳酸による尿酸排出の抑制効果
無酸素運動の場合、疲労物質である乳酸が蓄積します。
この乳酸は尿酸の排出を抑制させる作用があります。
・脱水によるもの
運動によって汗をかくと、一時的に体内の水分量が減ります。
そうすると、尿酸の濃度が一時的に上昇し、結晶化しやすくなったり尿からの排出能力を低下させます。

痛風の改善手段や筋トレ時の留意点

それでは気になる痛風の改善手段や筋トレ時の留意点などを説明、紹介します。

普段から改善すること

まず、一番最初に改善したいのは「尿酸排出能力」になります。
これは、インスリン感受性を高めることや水の摂取、エネルギー代謝の改善などが大切になります。
・インスリン感受性を高めること
糖質の過剰摂取を辞めて量を調整すること。
次に、吸収の早い糖質(高GI食)ではなく吸収の遅い糖質(低GI食)の割合を増やすように心がけましょう。
例:
高GI食→ジュースやお菓子(これらは果糖、砂糖を含むので特に注意)、白米、食パン、うどん、パスタなど
低GI食→玄米、雑穀米、冷や飯、サツマイモ、蕎麦、ライ麦パン、全粒粉パスタ、オーツミール、根菜類、または先に野菜から食べることでも可
サプリメントではαリポ酸がインスリン感受性を高めるという報告もあります

αリポ酸の還元型にしたのがRリポ酸です。
酸化型のαリポ酸よりも強い抗酸化作用を発揮します。
また、糖質制限時のインスリン感受性低下を防ぐためリバウンド防止にも役立つと思われます。

・水の摂取
水を摂取することで血中の尿酸値を直接下げることに繋がります。
また、尿による尿酸排出能力を正常に保つことが出来ます。
おおむね2-3L/日摂取するように心がけましょう。
エネルギー代謝の改善
ATPを生成するエネルギー回路は「クエン酸回路(TCAサイクル)」とも呼ばれており、これは「クエン酸」を摂取することでこの回路が活性化しやすくなります。

次に、摂取するプリン体を控えることも有効になります。
プリン体の量は先ほど記述しました「プリン体の量 主な食品」を参考にして下さい。

筋トレ時に改善すること

まず上記の「普段から改善すること」を実施した上で以下のことが有効になるでしょう。
・トレーニング中の水の摂取
→運動中は汗をかくので、普段よりも多く水分を摂取するように心がけましょう。
・トレーニング中のクエン酸摂取
→運動中はATP生成のためにクエン酸回路が活性化していますので、ここでのクエン酸摂取も大切です。
・インターバルの調整
→乳酸が溜まることや短時間のATP消費が尿酸を溜めてしまうので、痛風発作のリスクがあるときは十分なインターバルを取るようにしましょう。
例えば、普段60秒だったのであれば、180秒以上休むようにしてセット間に血中の乳酸濃度を下げるようにします。
・たんぱく源の調整
プリン体だけを気にするのであれば、卵やプロテインなどを主なたんぱく源とするのが良いでしょう。
しかし、プリン体の摂取量よりは、上記の手段を実施して尿酸排出能力を改善した方が効果は大きいと見れます。

まとめ

いかがでしたか?
確かに筋トレは血中の尿酸値を上昇させて痛風発作のリスクを高めます。
しかし、筋トレの恩恵もかなり大きいですので、痛風持ちの方は事前に医師と相談した上で、上記のことに意識をして筋トレを実施してみるのがおススメです。

当ジムではダイエットだけでなく、機能解剖学に基づいたトレーニングとこのような栄養学に基づいた食事指導を行いますので筋肉も効率良く付けることができます。
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カッコ良くボディメイク、またはスポーツパフォーマンス向上のお手伝いが出来ればと思います!
この他にもトレーニングや食事に関する疑問質問がありましたら、是非一度私のジムの体験トレーニングやカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
より詳細な情報、身体の使い方について指導させて頂きます。
引き続き、身体作りに必要な情報を掲載致しますのでよろしくお願い致します!

注1:「高強度・長時間運動による摂取水分の量及び組成の違いが尿酸代謝に及ぼす影響」, 高西敏正ら, 日本衛生学会誌, 53(463-469), 1998
注2:「痛風の新しい食事療法」, 織田敏次編 , 同文書院, 1985
注3:欧州リウマチ学会によって砂糖を摂りすぎると痛風になるリスクが高くなることが発表されています2011
注4:糖尿病(血糖値)と痛風(尿酸値)の意外な関係http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H21-7.pdf

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼ジム経営)
 
科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、200人を超えるお客様をサポート。
K-1キックボクシングジム名門「小比類巻道場」のプロキックボクシング選手のフィジカルコーチを務め、選手のKO率、勝率UPに貢献。
自身もボディメイク、パワーリフティング、キックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(永福町、新宿、恵比寿) 代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
2015年東京都パワーリフティング93kg級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやプロ格闘家に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業のコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
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