ワイズパーソナルジム代表/パーソナルトレーナーの義田です。
皆さんは、筋肉をつけたり、ダイエットをするためにトレーニングを実施すると思いますが、トレーニングを行うだけで栄養補給をないがしろにしてませんか?

実はそれ、トレーニング効果を100%引き出せておらず、非常にもったいないことをしているんです!
トレーニング効果最大限引き出すために栄養補給の方法について説明します。

トレーニングは筋肉に刺激を与えるだけの行為(むしろ運動中は筋分解が盛ん)であり、栄養摂取状態がしっかりしていないと適応反応である筋肥大や代謝向上が満足に行われなくなるのです。

栄養補給の重要性

体を変えるためにトレーニングを行っていくわけですが、このトレーニングすることによって筋肉が合成されて筋肉が大きくなるという現象(筋合成)があります。
その一方でトレーニング中に筋分解(筋肉が減ってしまうこと)も同時に行われています。
イメージとしては、2歩下がって(筋分解)、3歩進み(筋合成)、プラス1の筋肉がつくというのが、通常のトレーニングの状態です。

ところが、トレーニングにおける筋分解を少しでも栄養補給によって減らして、合成を促してあげれば1歩下がって、4歩進んで、プラス3の効果が得られるのです。

栄養補給をしている、していない場合を例に筋肉がどれだけ成長するのか、簡単な例を使って説明していきます。

特に栄養摂取を意識していない場合

トレーニング時の筋肉の分解分:-2
トレーニング後の筋肉の合成分:+3
増えた筋肉の量:+1

栄養摂取を意識して実施した場合

トレーニング時の筋肉の分解分:-1
トレーニング後の筋肉の合成分:+3
増えた筋肉の量:+2

簡単な例えですが、トレーニング後に同じだけの筋肉量が合成されていても、筋肉の分解を少しでも防げれればその分筋肉は増えます。

栄養補給に気を付け、筋分解を抑え、筋合成を促進することができれば、仮に通常のトレーニングだけ半年、1年間、行った場合に比べ、大きな変化がでてくるのです。
だからこそ、トレーニング時における栄養補給をしっかりと行うことが重要になります。

トレーニング中、運動中の筋分解を防ぐことで、筋合成や筋肥大を更に促すことができます。

栄養補給の仕方

トレーニング前

トレーニング前の栄養補給の目的

  1. トレーニング時に必要なエネルギーしっかりと摂るため
  2. パフォーマンスを上げるため
  3. 筋分解を防ぐため

摂取すべき栄養(優先順位順)

1糖質(トレーニング30~60分前)

糖質を摂ることでエネルギーが補給されます。この糖質によるエネルギーは、体を動かす際に優先的に使われるエネルギーですので、トレーニングのパフォーマンスを向上させます。
また、トレーニング中の筋分解を防ぐ効果があります。
糖質(食材)でおすすめは、バナナです。
バナナには吸収の早い糖質と吸収の遅い糖質があります。
このためトレーニング中腹持ちもよく、そしてすぐにエネルギーになりやすいのです。

バナナが苦手、手に入りにくい場合はおにぎりでも大丈夫です。

2タンパク質(トレーニング30~60分前)

タンパク質をトレーニング前に摂取することで、筋肉の合成促進と分解の抑制効果が効率的に行えます。
タンパク質としては、ホエイプロテインがおすすめです。
よくトレーニング後にプロテインを飲む方がいますが、実は、そのタイミングでは遅いのです。
トレーニング中はタンパク質の合成が盛んになりますが、この際にタンパク質足りていない(厳密には血中アミノ酸濃度が低い状態)では筋分解が進んでしまいます。
このため、トレーニング前からプロテインを補給して、トレーニング中の血中アミノ酸濃度を高めると筋分解を抑制できるのです。

3アミノ酸(EAA、クレアチン)

タンパク質(プロテイン)が身体に吸収されるためには体内で分解してアミノ酸にする必要がありますが、アミノ酸の状態で摂取することで、すぐに体内で利用され、プロテインより早く筋肉の合成促進と分解の抑制効果を得やすくなります。
また、摂取することでトレーニングのパフォーマンス向上に役立つアミノ酸あります。
特にトレーニングの効果を最大限引き出すためにお勧めは必須アミノ酸を全て含むEAA、非必須アミノ酸のクレアチンの2つです。

EAAは必須アミノ酸の全てを含み、筋肉の分解の抑制と合成の促進を迅速に行える最近メジャーとなったサプリメントです。

クレアチンは、瞬発力を向上させる働きがあり、効率的にトレーニングする助けとなります。
少し前にカフェイン+クレアチンの相性が悪いという意見がありましたが、最新の見解では特に問題なし(むしろ相乗効果で良くなる)と言われております※。
※参考文献:・Caffeine Potentiates the Ergogenic Effects of Creatine
Journal of Exercise Physiology Dec. 2017 Vol. 20 Number 6
・Caffeine is ergogenic after supplementation of oral creatine monohydrate.
Med Sci Sports Exerc. 2002 Nov;34(11):1785-92
・Effect of caffeine ingestion after creatine supplementation on intermittent high-intensity sprint performance.
Eur J Appl Physiol. 2011 Aug;111(8):1669-77. doi: 10.1007/s00421-010-1792-0. Epub 2011 Jan 5.

これらのEAA、クレアチンのアミノ酸の効果は効率的にトレーニングを行うために有用ですので、プロテインに一緒に入れて溶かすなどして積極的に摂取しましょう。

トレーニング60分前はプロテインにEAAとクレアチンを溶かして飲み、バナナ2本を食べるのが私のルーティンです。

トレーニング中

トレーニング前の栄養補給の目的

トレーニング前と同様に

  1. トレーニング時に必要なエネルギーしっかりと摂るため
  2. パフォーマンスを上げるため
  3. 筋分解を防ぐため

以上の3点です。

摂取すべき栄養(優先順位順)

1糖質

マルトデキストリンと呼ばれる粉飴、上白糖、スポーツドリンク等の吸収が早い糖質糖質を摂取することが大事です。
果糖を含まない粉飴=麦芽糖が一番おススメです。)
濃度は浸透圧の関係から5~10%程度のものがおすすめです。

2アミノ酸(EAA、クレアチン)

トレーニング前のアミノ酸の摂取と同じ理由になります。

トレーニング後60分以内

トレーニング後の栄養補給の目的

筋肉の材料であるタンパク質をしっかり摂ることと、糖質を摂取することで分泌されるインスリンよってmTOR※の活性化により筋肉の合成を促すことが目的です。
アミノ酸のロイシンもmTORを活性化させる働きもあります。
※mTOR(エムトア):タンパク質キナーゼの一種で、体組織の合成を促進させる働きがあります。
参考文献:参考文献:筋肥大におけるmTORシグナル伝達系の役割
The role of mTOR signaling in the regulation of protein synthesis and muscle mass during immobilization in mice. You JS, et. al., 2015

摂取すべき栄養(優先順位順)

1タンパク質

筋トレ後はいち早くタンパク質を吸収させる必要があるため消化の良いプロテインを摂ることが望ましいです。
具体的にはホエイプロテインかペプチド(プロテインを更に分解した状態)の摂取をお勧めします。

2アミノ酸(EAA、グルタミン、クレアチン)

すぐに利用されるアミノ酸を摂取することで、筋肉の分解防止や筋肉の合成を促します。
グルタミンは免疫力向上と筋分解防止に役立つと言われております。
運動前の摂取をすると代謝の過程でアンモニアを発生させてしまいパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
ですので運動後のタイミングで摂取することがおススメです。

3糖質

吸収の早い糖質を摂取することが良いです。
具体的には上白糖(砂糖)でもいいですし、最悪コーラ等のジュース類(ぶどう糖果糖液糖、果糖ブドウ液糖などの異性化糖)でも問題ありません。
(ただし、砂糖も異性化糖も果糖を含むため血糖値上昇や中性脂肪増加のリスクがありますので、ブドウ糖や麦芽糖、デンプンに越したことはありません。)
糖質を摂取するとインスリンが分泌され、筋肉の合成を促す作用があります。

コラム:本当に糖質は、太る原因?

確かに糖質は太る原因になりやすいですが、実は、トレーニング中に限ってはそうではないのです!
トレーニング中、トレーニング後には、筋肉の細胞膜上に糖輸送体と呼ばれるGLUT4(グルコーストランスポーター4の略)が発現し、筋肉の細胞に糖質を取り込むため、通常より脂肪細胞に糖質が吸収されにくい環境となっています。
このため糖質をとっても太りにくく、筋肉を効率的に増大してくれる大きな味方となっているのです。
但し、トレーニング前は、まだGLUT4が出現していない可能性とトレーニングの効率を考慮すると、吸収の早い糖と遅い糖の両方が含まれたバナナなどの糖質がおすすめです。
参考文献:運動と骨格筋GLUT4 川中健太郎
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/11/10/11_10_42/_pdf

おススメのサプリメントの紹介

今回紹介したサプリメントの中で、実際に私が使用しているサプリメントを紹介します。

ホエイプロテイン

プロテインは「WPC」→「WPI」→「WPH]とだんだん粒子が細かくなってきます。
「WPI」が費用と効果のバランスの良い製法でこのメーカーのプロテインがかなりお手頃価格です。

EAA

海外輸入品ですが、一般的に高価格なEAAが大容量で安く手に入ります。

クレアチン

クレアピュアというクレアチンの一定以上の品質を保ちながらお手軽な価格で手に入ります。

グルタミン

非必須アミノ酸ですが筋分解防止、免疫力低下を防ぐために飲んでいます。

マルトデキストリン(粉飴)

安く糖質を摂取するのに向いています。

まとめ

今までの説明を踏まえた上で実施例を紹介します。
以下の例は体重70㎏の人になります。
筋肉量維持のダイエット目的の場合は、総摂取カロリーとPFCバランスを見た上で糖質量とプロテイン量で調整しましょう。
トレーニング30~60分前:バナナやおにぎり、プロテイン20~30g+EAA3g+クレアチン2~5g(メンテナンス期とローディング期)
トレーニング中:水1000㏄マルトデキストリン30~60g(減量期は30gを推奨)+EAA20g+クレアチン2~5g
トレーニング後60分以内:プロテイン20~30g+マルトデキストリン30~60g(減量期は30gを推奨)+EAA3g+クレアチン2~5g+グルタミン20g

参考書籍↓

いかがでしたか?

あなたは、きちんと栄養補給はできていましたか?しっかりとウェイトトレーニングの効果を100%出すためにはトレーニング前~後にかけて、どのように糖質、タンパク質、アミノ酸をとるかが大切です。トレーニングによる筋肉の合成は享受しつつ、筋分解を防いで効率的に筋肉を増やしていきましょう!

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「超理論超実践派トレーナー」
義田 大峰 (職業:パーソナルトレーナー兼フィットネスジム経営)

科学的根拠に沿った「無駄な辛さやリバウンド無し!」のメソッドを掲げ、500人を超えるお客様をサポート。
自身もボディメイク、パワーリフティング、空手やキックボクシングの競技で活躍する。

ワイジング株式会社 代表取締役
ワイズパーソナルジム(西永福)代表
パワーフィットスタジオZERO(浜田山)代表

日本タイ古式マッサージ協会プロセラピスト認定資格
全世界空手道連盟新極真会初段 指導員経験あり
全中部フルコンタクト空手選手権大会一般上級の部 3位
東京都パワーリフティング協会理事
2022年東京都パワーリフティング83kg級優勝
2022年東京都ベンチプレス大会83㎏級優勝

自身が120kgから70kgに減量に成功したことや、柔道、空手、パワーリフティングなどの競技経験をきっかけにフィットネス業界に入る。

RIZAP(ライザップ)株式会社に入社。
その後独立し、ワイズパーソナルジムを設立し、パーソナルトレーナーとしてボディメイクやスポーツ選手に対して指導、セミナー主催、フィットネス事業とそのコンサルティングなどを行っている。

【ワイズパーソナルジム】
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